弁護士などの法律専門職は家族信託の受託者になれるのか
家族信託
任意後見では、受任者(家族信託における受託者と同じような立場の者)を親族にする以外に弁護士などの法律専門職に依頼することがままあります。
後見人には様々な責任や義務が伴いますので、親族に任せるより、制度について熟知している専門職に任せることでより安心されることもあろうかと思います。
では、家族信託においても任意後見制度と同様に受託者を弁護士などの法律専門職に据えることができるのでしょうか。家族信託においても受託者はメインプレイヤーであり一番重要な立場にある者といっても過言ではないと思います。
法律専門職は受託者に就任できない
結論から先に申し上げますと、弁護士などの法律専門職は受託者に就任することはできません。
まず、信託は大きく「民事信託」と「商事信託」に分かれ、家族信託は民事信託に含まれます。民事信託については「信託法」、商事信託については「信託業法」にそれぞれ規定されていますが、「信託業法」にその根拠があります。
信託業法では、「信託の引受けを行う営業をする者は、内閣総理大臣の免許又は登録を受けた者である」と規定されています。
(信託業法 第2条)
この法律において「信託業」とは、信託の引受けを行う営業をいう。(信託業法 第3条)信託業は、内閣総理大臣の免許を受けた者でなければ、営むことができない。
弁護士などの法律専門職が、業務において受託者に就任するということは「営業」にあたり、内閣総理大臣の免許を受けていない以上、その営業をすることはできないというわけです。
業務外ならできるのか?
受託者以外ならできる?
家族信託の主な登場人物は、委託者、受託者、受益者ですが、それら以外に「信託監督人」や「受益者代理人」という役割を置くこともできます。
信託監督人は、受益者保護のため受託者を監視監督する立場の第三者で、受益者代理人は認知症などで判断能力が衰えた受益者の代理人という立場で受託者を監視監督する第三者のことをいいます。
これら信託監督人、受益者代理人に弁護士などの法律専門職が就き報酬を得ることは禁止されいるわけではありません。
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