オーバーステイとなった場合の対応とビザ(在留資格)申請サポート
ビザ(在留資格)申請サポート
オーバーステイとは
在留期限を1日でも過ぎると不法滞在(オーバーステイ)となり、摘発や退去強制の対象となります。
入管法第70条に基づき、悪質な場合、3年以下の懲役もしくは禁錮、または300万円以下の罰金が科される可能性がありますが、初犯や軽微な場合は行政手続き(退去強制など)で処理されることが一般的です。
オーバーステイに気づいたら
オーバーステイに気づいた場合、速やかに以下の対応を検討してください。
-
出入国在留管理庁への出頭:自ら地方出入国在留管理官署に出頭し、事情を正直に説明することで、在留特別許可や出国命令制度の適用可能性が高まります。ただし、出頭しても収容や退去強制の可能性はあります。
-
専門家の相談:行政書士や弁護士に相談し、書類準備や手続きを適切に進めることが推奨されます。
-
希望の明確化:日本に残りたい場合は「在留特別許可」、帰国する場合は「出国命令制度」を検討します。いずれも要件が厳格で、許可は保証されません。
事前に戸籍謄本や家族状況の証明書など、必要な書類を準備し、専門家の助言を得ながら慎重に進めてください。
在留特別許可について
在留特別許可とは
引き続いて在留をを希望していて、一定の条件の条件を満たしている場合は、「在留特別許可申請」を検討します。
在留特別許可は、不法滞在者に対し、法務大臣が裁量で在留を認める制度(入管法第50条)です。
許可は自動的ではなく、家族状況や人道的配慮、日本への定着性などを総合的に判断されます。
「在留特別許可」とは、不法残留、オーバーステイ、不法滞在など、退去強制事由に該当する外国人の方々に対し、様々な事情を加味して法務大臣が特別に与える在留資格です。
不法滞在の状態にある外国人は、本来であれば退去強制手続きまたは出国命令制度により日本を退去しなければなりませんが、法務大臣はその裁量により特別に在留を許可することができます。
在留特別許可は法務大臣の自由裁量であり、申請すれば必ずしも与えられるというものではありませんが、在留希望理由や家族状況、生活状況や人道的配慮の必要性など総合的に判断し、在留を特別に認めるか否か決定されることとなります。
在留特別許可の要件
- 永住許可を受けているとき
- かって日本国民として日本に本籍を有したことがあるとき
- 人身取引等により他人の支配下に置かれて日本に在留するものであるとき
- その他法務大臣が特別に在留を許可すべき事情があると認めるとき
上記の「その他法務大臣が特別に在留を許可すべき事情があると認めるとき」を判断するに当たっては下記のガイドラインが示されていますのでご参照下さい。
「在留特別許可に係るガイドライン」に基づき、以下の積極要素と消極要素が考慮されます。
積極要素(許可にプラスに働く要素)
1.特に考慮する積極要素
-
- 当該外国人が日本人(又は特別永住者)の実子である
- 当該外国人が日本人(又は特別永住者)との間に生まれた子を扶養している
ア 当該実子が未成年かつ未婚であること
イ 当該外国人が当該実子の親権を有していること
ウ 当該外国人が当該実子を現に日本において相当期間同居の上、監護及び養育していること
-
- 当該外国人が日本人(又は特別永住者)と婚姻が法的に成立している
ア 夫婦として相当期間共同生活をし、相互に協力して扶助していること
イ 夫婦の間に子がいるなど、婚姻が安定かつ成熟していること
- 当該外国人が実子(日本の小学校、中学校に在籍)と同居し、その子を監護、養育している
- 当該外国人が難病等により日本での治療を必要としている(又は親族を看護する必要がある)
2.その他の積極要素
- 当該外国人が、不法滞在者であることを申告するため、自ら地方入国管理官署に出頭したこと
- 当該外国人が、別表第二に掲げる在留資格(日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者)で在留している者と婚姻が法的に成立している場合であって、前記1の3のア及びイに該当すること
- 当該外国人が、別表第二に掲げる在留資格で在留している実子を扶養している場合であって、前記1の2のアないしウのいずれかにも該当すること
- 当該外国人が、別表第二に掲げる在留資格で在留している者の扶養を受けている未成年・未婚の実子であること
- 当該外国人が、日本での滞在期間が長期に及び、日本への定着性が認められること
- その他人道的配慮を必要とするなど特別な事情があること
(ご参照:法務省HP 在留特別許可に係るガイドライン)
消極要素(許可にマイナスに働く要素)
1.特に考慮する消極要素
- 重大犯罪等により刑に処せられてたことがある
- 出入国管理法上の重大な違反をしている
2.その他の消極要素
- 船舶による密航,若しくは偽造旅券等又は在留資格を偽装して不正に入国したこと
- 過去に退去強制手続を受けたことがあること
- その他の刑罰法令違反又はこれに準ずる素行不良が認められること
- その他在留状況に問題があること
(ご参照:法務省HP 在留特別許可に係るガイドライン)
出国命令制度について
出国命令制度とは
出国命令制度(入管法第55条の2)は、オーバーステイの外国人が、出国する意思を持ち、自ら出頭した場合、一定の条件を満たしていれば退去強制手続はとられず、「出国命令」により帰国させるという制度です。
退去強制による出国も、出国命令による出国も出国することには変わりはないですが、退去強制により国外退去となった者の上陸拒否期間(日本に上陸できない期間)は、原則として出国した日から5年間(リピーターは10年間)となるのに比べ、出国命令を受けて日本から出国した者の上陸拒否期間は,原則として出国した日から1年間と短くなります。
改めて来日し在留したいのであれば、出国命令制度を利用すべきではないでしょうか。
出国命令制度を利用できるのは、次のいずれにも該当する場合です。
-
- 速やかに日本から出国する意思を持って自ら入国管理官署に出頭した場合
- 在留期間を経過したこと以外の退去強制事由に該当しないこと
(退去強制事由についてはこちらをご参照ください。)
- 入国後に窃盗等の所定の罪により懲役又は禁固に処せられていないこと
- 過去に退去強制されたこと又は出国命令を受けて出国したことがないこと
- 速やかに日本から出国することが確実に見込まれること
出国命令対象者に該当すると判断された場合,15日を超えない範囲内で出国期限が定められ、「出国命令書」が交付されます。出国命令がなされた場合には,住居及び行動範囲の制限その他必要と認める条件が付されることがあります。
出国命令に係る出国期限を経過して本邦に残留する者は退去強制の対象となるほか,刑事罰の対象となりますので十分注意が必要です。
仮放免許可について
仮放免許可とは
仮放免とは、収容令書又は退去強制令書により収容をされている外国人を、請求(又は職権)により収容を停止して拘束を解く制度です。
仮放免の許否は、個別の事案ごとに事情を総合的にみて判断されるものであります。判断するに当たっての基準が正式に設けられているわけではありませんが、一応の判断事項は下記のものとされています。
仮放免取扱要領
- 被収容者の容疑事実又は退去強制事由
- 仮放免請求の理由及びその証拠
- 被収容者の性格,年齢,資産,素行,健康状態
- 被収容者の家族状況
- 被収容者の収容期間
- 身元保証人となるべき者の年齢,職業,収入,資産,素行,被収容者との関係及び引受け熱意
- 逃亡し,又は仮放免に付す条件に違反するおそれの有無
- 日本国の利益又は公安に及ぼす影響
- 人身取引等の被害の有無
- その他特別の事情
【仮放免が許可される場合の例】
仮放免(入管法第54条)は、収容されている外国人の一時的な解放を認める制度です。
以下の事情を総合的に判断し、許可・不許可が決定されます。
- 出頭申告した在宅案件において、全件収容主義を貫くため収容令書に基づく収容が書面上でのみなされた後、直ちに職権によってなされる仮放免
- 退去強制令書の発付を受けて収容されている外国人について、自費出国することを前提に、出国準備のためになされる仮放免許可
- 入国管理局や警察に摘発され、収容令書によって収容されたが、その者においてしか監護養育できない未成年の子がいる場合や在留特別許可の見込みが高いと判断される場合に、法務大臣の裁決より前になされる仮放免許可
- 収容所では治療困難な病気罹患による仮放免許可
- 収容の長期化により心身への疲弊が著しい状態になったと判断される場合の仮放免許可
- 医療同意等の観点から、日本人配偶者等の手術(出産に伴う帝王切開手術を含む。)への立会いが必要であり、その旨の医師による意見書がある場合の仮放免許可
仮放免許可の申請
仮放免許可申請書や住民票、身元保証人に関する資料等を用意して地方入国管理局に提出しますが、具体的な理由とその疎明資料(証明する資料)が必要になります。
提出書類の例
- 仮放免許可申請書
- 理由書
- 戸籍謄本・住民票
- 身元保証書
- 宣誓書(本人及び身元保証人)
- 在職証明書(身元保証人)
- 納税及び収入に関する証明書(身元保証人)
- 住居近辺の地図
- その他疎明資料
仮放免には条件が付けられます
-
- 住居及び行動範囲の制限
逃亡を防止するため、行動範囲に制限が設けられます。
-
- 入管への出頭義務
月に一回程度、入管への出頭を義務付けされます。その他の呼出しにも従わなければなりません。
-
- 保証金の納付
300万円以下の範囲内で定められる保証金を納める必要があります。逃亡した場合など仮放免許可を取り消された場合は没収されます。
-
- 仮放免の期間
期間を定めて放免されます。
仮放免後の注意事項
仮放免許可を受けた外国人が、下記の事項に該当したときは、仮放免が取り消されます。
仮放免が取り消された場合、仮放免されていた者は、収容令書又は退去強制令書により、再び収容されることとなり、仮放免されたときに納付した保証金も没取されることになりますので、仮放免後の生活においても、十分な注意が必要です。
仮放免が取り消される場合
- 逃亡した
- 逃亡すると疑うに足りる相当の理由がある
- 正当な理由がないのに呼出しに応じない
- 仮放免に付された条件に違反した(住居、行動範囲、仮放免の期間、就労活動の禁止など)
まとめ
オーバーステイは放置せず、速やかに入管に出頭することが重要です。
放置すると摘発や退去強制のリスクが高まり、在留特別許可の可能性が低下します。
手続きは複雑で裁量的な判断が多いため、信頼できる行政書士や弁護士に相談することを強く推奨します。
最新情報は、法務省または出入国在留管理庁のウェブサイトで確認してください。
個別の状況に応じた詳細なアドバイスが必要な場合は、専門家にご相談ください。
みなとまち行政書士事務所のビザ取得サポートサービス
みなとまち行政書士事務所は、コンサルティングから書類作成はもちろん、入国管理局への申請までサポートさせていただきます。
サービス内容
- ビザ(在留資格)取得に関するコンサルティング
- 入国管理局へ提出する書類の収集
- 入国管理局へ提出する書類の作成
- 入国管理局へ申請
- 結果受領に至るまでのサポート
費用
サポートの流れ
-
1.お問い合わせ
電話(06-4305-7395)や、お問合せフォーム(こちら)からお問い合わせください。
些細なことでもお気軽にお尋ねください。
ビザ取得の可能性が極端に低い場合などは理由をご説明します。 -
2.面接 / 見積
ご依頼を検討いただける場合、資料などを拝見し、更に細かくお話をお聞きさせていただくべく面談をさせていただきます。
また、費用やサポート内容についてもご説明させていただきます。 -
3.ご依頼の確定
サポート内容や費用等の条件にご納得いただければ、ご依頼を確定することを申し付けください。
着手金をお支払いいただきまして、正式なご依頼とさせていただきます。 -
4.書類の収集・作成
メール等でヒアリングをさせていただきながら、当事務所が作成または取得できる書類は代行して手配いたします。
お客様で準備、作成していただく必要がある書類はご協力をしていただきます。 -
5.申請
入国管理局へ申請します。申請後は速やかに申請日と受理番号をお知らせします。
後日、入国管理局から追加資料や事情説明などが求められる場合がありますが、その際はご連絡の上で速やかに対応します。
審査の進捗状況なども適宜確認、ご報告いたします。 -
6.残金のご入金
申請のタイミングで残りの費用をお支払いいただきます。
-
6.許可・不許可の連絡
入国管理局から許可通知が届き次第、ご連絡いたします。
同時にビザ受領に必要な証印手続きの準備を行い入国管理局に出頭します。
ビザの受領が終わり次第お客様にお渡しします。
この記事を書いた人
みなとまち行政書士事務所の可児(かに)と申します。
旅行が好きで、ふらっと出かけることもあります。昔は家族でよく出かけていましたが、最近は妻も娘も相手にしてくれなくなったので、一人旅を楽しんでおります。サービスエリアで1人ソフトクリームを食べているおじさんを見たら、たぶんそれはワタシです。