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退去強制について

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退去強制とは

「退去強制」とは、退去強制事由に該当する外国人を強制的に日本国外に退去・送還する(行政)処分です。

「強制送還」、「国外退去処分」などと表現されることもありますが、法律上の正式な名称は「退去強制」となっております。
 

退去強制事由とは

退去強制事由は、「出入国管理及び難民認定法」の第24条に列挙されおり、大別すると次の7つに分けられます。
 

  1. 不法に上陸した者
  2. 在留資格を取り消された者
  3. 他の外国人の不正を助けた者
  4. 犯罪に関わった者
  5. 在留期間を過ぎた者
  6. 出国命令を受けた者
  7. 難民認定を取り消された者

 
それぞれの項目については、細かく法定されています。

不法に上陸した者
  1. 有効な旅券を所持せず日本に入った者、または入国審査官から上陸の許可を受けないで日本に上陸する目的を有して日本に入った者(1号)
  2. 入国審査官から上陸の許可を受けないで日本に上陸した者(2号)
  3. 仮上陸の許可の条件違反者等(5号)
  4. 上陸拒否事由に該当し退去命令を受けた者で、遅滞なく退去しない者(5号の2)

 

在留資格を取り消された者
  1. 在留資格を取り消された者(2号の2)
  2. 在留資格を取り消された者で、出国に必要な期間を経過して日本に残留する者(2号の3)

 

他の外国人の不正を助けた
  1. 他の外国人に不正に上陸許可、在留資格の変更許可、在留期間の更新許可等を受けさせる目的で、文書等を偽造し、偽造文書等を行使、貸与等をした者(3号)
  2. 他の外国人の不法上陸・不法入国をあおり、そそのかし、助けた者(4号ル)

 

犯罪に関わった者

日本に在留する外国人で次に掲げる者(4号|仮上陸の許可、寄港地上陸の許可、通過上陸の許可、乗員上陸の許可又は遭難による上陸の許可を受けた者を除く)

  1. 資格外活動の禁止に違反して事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を専ら行っていると明らかに認められる者(イ|人身取引等の被害者を除く)
  2. 人身取引等を行った者等(ハ)
  3. 旅券法違反の犯罪で刑に処せられた者(ニ|一部除外あり)
  4. 入管法違反の犯罪で刑に処せられた者(ホ|一部除外あり)
  5. 外国人登録法違反の犯罪で禁錮以上の刑(実刑に限る)に処せられた者(ヘ)
  6. 少年で長期3年を超える懲役又は禁錮に処せられたもの(ト)
  7. 薬物犯罪で有罪の判決を受けた者(チ)
  8. そのほか無期又は1年を超える懲役若しくは禁錮に処せられた者(リ|実刑に限る)
  9. 売春に直接関係ある業務に従事する者(ヌ|人身取引等被害者を除く)
  10. 日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て若しくは主張する政党等を結成し若しくはこれに加入している者(オ)
  11. 次に掲げる政党等を結成し若しくはこれに加入し、又はこれと密接な関係がある者(ワ)
    • 公務員であるという理由により、公務員に暴行を加え又は公務員を殺傷することを勧奨する政党等((1))
    • 公共の施設を不法に損傷し、又は破壊することを勧奨する政党等((2))
    • 工場事業場における安全保持の施設の正常な維持又は運行を停廃し、又は妨げるような争議行為を勧奨する政党等((3))
  12. 上記政党等の目的を達するため、文書図画を作成・頒布・展示した者(カ)
  13. そのほか法務大臣が日本国の利益又は公安を害する行為を行ったと認定する者(ヨ)
  14. 入管法別表第1(※1)の在留資格で在留する者で、一定の刑法犯罪等により懲役又は禁錮に処せられた者(4号の2)
  15. 短期滞在の在留資格をもって滞在する者で、日本において行われる国際競技会等の経過・結果に関連して、又はその円滑な実施を妨げる目的をもって、その会場等において不法に人を殺傷し、人に暴行を加え、人を脅迫し、又は建造物その他の者を損壊した者(4号の3|いわゆるフーリガン対策)
※1「入管法別表第1の上欄の在留資格」とは

外交/公用/教授/芸術/宗教/報道/経営・管理/法律・会計業務/医療/研究/教育/技術・人文知識・国際業務/企業内転勤/興行/技能/技能実習/文化活動/短期滞在/留学/研修/家族滞在/特定活動

 

在留期間を過ぎた者
  1. 在留期間の更新又は変更を受けないで在留期間を経過して日本に在留する者(4号ロ|いわゆるオーバーステイ|入院等正当な理由がある場合を除く)
  2. 寄港地上陸の許可等を受けた者で、許可期間を経過して日本に残留する者(6号)
  3. 数次乗員上陸許可を取り消された者で、出国に必要な期間を経過して日本に残留する者(6号の2)
  4. 日本の国籍を離脱した者又は日本で出生した外国人等が在留資格を取得せずに、国籍の離脱・出生の日から60日を経過して日本に残留するもの(7号)
  5. (日本の国籍離脱者および日本で出生した外国人が行うべき手続きについては、こちらをご参照ください。)

 

出国命令を受けた者
  1. 出国命令を受けた者で出国期限を経過して日本に残留するもの(8号)
  2. 出国命令の際に付された条件に違反したため出国命令を取り消された者(9号)

 

難民認定を取り消された者

難民の認定を取り消された者(10号|一部除外あり)

(リンク:e-GOV 出入国管理及び難民認定法

 

違反調査の結果

オーバーステイや資格外活動を疑われた外国人は、違反調査されることになります。

違反調査された外国人の全員が退去強制事由に該当するわけではなく、中には全くの誤解・誤認である人もいるかもしれません。

退去強制事由に該当していると疑われ、違反調査された外国人は次の4つのパターンのいずれかの道をたどることになります。
 

 

退去強制手続きの流れ

では、退去強制に該当する外国人が、どのような手続きを踏んで送還に至るか具体的にみていきます。

1.違反調査

通報などにより退去強制事由に該当していると思われる外国人の存在が発覚した場合、入国警備官により違反調査が行われます。

2.収容

違反調査の結果、容疑者の外国人が退去強制事由に該当する考えられる相当の理由がある場合は、収容施設に収容されます。

ただし,容疑者が出国命令対象者に該当すると考えられる相当の理由があるときには、収容はされません。

3.違反審査

事件は、入国調査官から入国審査官に引き継がれ、入国審査官により違反審査が行われます。

この審査により、「退去強制に該当」、「出国命令に該当」、「退去強制に非該当(無罪)」が判断されます。

4.口頭審理

容疑者が退去強制対象者に該当すると認定されたこと対して異議を唱えた場合や日本での特別な在留を希望する場合は、特別審理官による口頭審理を請求することができます。

5.異議の申出

容疑者が口頭審理の結果に異議を唱えた場合や日本での特別な在留をさらに希望する場合は、異議の申出をすることができます。

6.法務大臣の決裁

異議の申出を受理した法務大臣が、一連の事件記録を調べ裁決することになります。

この裁決により、「退去強制」、「出国命令に該当」、「在留特別許可」が決まることになります。

7.退去強制令書の発行

「退去強制令書」という命令が発行され、退去強制されることが確定します。

8.送還

外国人は、原則的に、国籍または市民権を有する国に送還されます。

 


 
以下の図は、出入国在留管理庁により示されているフローチャートです。
 

(出典:出入国在留管理庁 退去強制手続及びの出国命令手続きの流れ)

 

出国命令制度について

「退去強制」は、文字通り強制的に国外へ退去させられる制度ですが、オーバーステイの外国人が、自ら出頭した場合で、出国する意思を持ち、加えて一定の条件を満たしていれば退去強制手続きとは異なる「出国命令」という制度が用意されています。

「退去強制」による出国も、「出国命令」による出国も出国することには変わりはないですが、退去強制により国外退去となった者の上陸拒否期間(その後に日本に上陸できない期間)は、原則として出国した日から5年間(前歴がある者は10年間)ですが、出国命令制度を受けて日本から出国した者の上陸拒否期間は,原則として出国した日から1年間と短くなります。

将来、改めて来日し、在留することを希望するのであれば、可能であれば出国命令制度を利用すべきものと考えます。

出国命令制度の要件

出国命令制度を利用できるのは、次のいずれにも該当する場合です。

  • 速やかに日本から出国する意思を持って自ら入国管理官署に出頭した場合
  • 在留期間を経過したこと(オーバーステイ)以外の退去強制事由に該当しないこと
  • 入国後に窃盗等の所定の罪により懲役または禁固に処せられていないこと
  • 過去に退去強制されたことまたは出国命令を受けて出国したことがないこと
  • 速やかに日本から出国することが確実に見込まれること

 
出国命令対象者に該当すると判断された場合,15日を超えない範囲内で出国期限が定められ、「出国命令書」が交付されます。

出国命令がなされた場合には,住居及び行動範囲の制限その他必要と認める条件が付されることがあります。

出国命令に係る出国期限を経過して本邦に残留する者は退去強制の対象となるほか,刑事罰の対象となりますので十分注意が必要です。
 

在留特別許可について

「在留特別許可」制度というものがあります。

これは法務大臣は、容疑者の外国人が以下の要件に当てはまる場合に、在留を特別に許可することができるとされている制度です。

できるとされているものですので、これらに当てはまった場合でも必ず特別許可されるわけではありません。

在留特別許可の要件

  1. 永住許可を受けている場合
  2. かつて日本国民として日本国籍を有したことがある場合
  3. 人身取引等により他人の支配下に置かれて日本に在留するものである場合

 

この記事を書いた人

大阪の行政書士 可児和武の画像
可児行政書士事務所の可児(かに)と申します。

旅行が好きで、ふらっと出かけることもあります。昔は家族でよく出かけていましたが、最近は妻も娘も相手にしてくれなくなったので、一人旅を楽しんでおります。サービスエリアで1人ソフトクリームを食べているおじさんを見たら、たぶんそれはワタシです。