在留資格認定証明書とは?申請から取得・活用までの完全ガイド
ビザ(在留資格)申請サポート
― 目次 ―
在留資格認定証明書とは
在留資格認定証明書(Certificate of Eligibility: COE)とは、日本に入国しようとする外国人が、日本で行おうとする活動内容がいずれかの在留資格に該当するものである等の上陸のための条件に適合していることを証明するために、入国前にあらかじめ発行される証明書です。
この証明書は、法務省の出入国在留管理庁が発行するもので、外国人が日本の在外公館でビザ(査証)を申請する際や、日本入国時の上陸審査の際に提示することで、手続きがスムーズになります。
在留資格認定証明書が必要となるのは、「短期滞在」と「永住者」を除くすべての在留資格です。
一例ですが、以下のような在留資格が対象となります。
- 技術・人文知識・国際業務
- 経営・管理
- 特定技能
- 家族滞在
- 日本人の配偶者等
外国人が中長期的に日本に滞在するためには、詳細な審査が必要です。
空港での入国審査時だけでは十分な審査ができないため、あらかじめ日本の出入国在留管理局で詳細な審査を行い、「この外国人は日本に入国して問題ない」という証明として在留資格認定証明書が発行されます。
これにより、入国審査や査証発給がスムーズに行われるようになります。
在留資格認定証明書の重要性と役割
在留資格認定証明書は、単なる書類ではなく、外国人の日本入国と滞在に関する重要な役割を担っています。
その主な重要性と役割は以下の通りです。
1. 査証取得の円滑化
在留資格認定証明書を取得していると、在外日本公館(大使館・領事館)でのビザ申請時に審査が簡略化されます。
通常、ビザ申請では5営業日程度で発給を受けることができますが、認定証明書がない場合は数週間から数カ月かかることもあります。
2. 入国審査の迅速化
日本の空港や港での入国審査においても、在留資格認定証明書があれば、入国審査官による審査がスムーズに進みます。
認定証明書は、あらかじめ入管当局が詳細な審査を行った結果であり、その信頼性は高く評価されています。
3. 在留資格と在留カードとの関係
在留資格認定証明書、在留資格、在留カードの関係について明確に理解しておくことが重要です。
項目 | 役割 | タイミング |
---|---|---|
在留資格認定証明書 | 日本入国前に在留資格の条件に適合していることを証明 | 入国前(査証申請時に必要) |
在留資格 | 外国人が日本で行える活動の種類や身分・地位を示す法的資格 | 入国許可時に付与される |
在留カード | 中長期在留者であることを証明する身分証明書 | 入国後に交付(一部の空港では入国時に即日交付) |
4. 企業・組織にとっての意義
外国人材を採用・受入れる企業や教育機関にとって、在留資格認定証明書の取得手続きは外国人受入れの第一歩です。
適切な手続きを行うことで、外国人社員や留学生を円滑に受け入れることができます。
手続きが遅れると、予定していた入国や業務開始に影響が出る可能性もあるため、計画的な申請が重要です。
※注意点
在留資格認定証明書はあくまでも「認定証明書」であり、これを持っていれば必ず入国できるわけではありません。
ビザ申請時や入国審査時に他の要件も審査され、問題がある場合は入国を拒否される可能性もあります。
申請方法(オンライン申請と窓口申請の比較)
在留資格認定証明書の申請方法には、主に「オンライン申請」と「窓口申請」の2つの方法があります。
それぞれの特徴と手続きの流れを比較してみましょう。
オンライン申請の特徴とメリット
メリット
- 24時間いつでも申請可能
- 窓口に行く必要がない(時間と交通費の節約)
- 申請状況をオンラインで確認できる
- 証明書を電子メールで受領可能(郵送の手間・費用削減)
- 審査完了までのプロセスがペーパーレス
デメリット・注意点
- 事前に利用者登録が必要
- システムの操作に慣れが必要
- マイナンバーカードと読取機器が必要な場合がある
- 技術的なトラブルが発生する可能性
- 申請完了後は受領方法の変更ができない
窓口申請の特徴とメリット
メリット
- 直接相談しながら申請できる
- 申請書の記入方法などをその場で確認できる
- システム操作が苦手な方でも安心
- 複雑なケースも相談しながら進められる
- 電子メール受領も選択可能(2025年現在)
デメリット・注意点
- 窓口の営業時間内に訪問する必要がある
- 待ち時間が発生する場合がある
- 混雑時期(4月入社前など)は特に時間がかかる
- 交通費や移動時間がかかる
- 受領のために再度窓口訪問か郵送待ちが必要
申請者の種類別申請方法
在留資格認定証明書は、誰でも申請できるわけではありません。
法律で定められた以下の方々が申請を行うことができます。
申請者 | 説明 |
---|---|
申請人本人 | 日本への入国を希望する外国人本人(日本にいる場合) |
受入れ機関の職員 | 採用予定の企業、教育機関、研修実施機関などの職員 |
申請取次者 |
|
在日親族 | 身分系在留資格(日本人の配偶者等)の場合の在日親族 |
申請方法選びのポイント
初めて申請する場合や複雑なケース(特殊な在留資格など)の場合は、窓口申請の方が安心です。
申請経験が豊富な企業や個人、またはシンプルなケースではオンライン申請が時間と手間の節約になります。
また、緊急性が高い場合は、窓口で直接相談しながら進める方が良いでしょう。
2025年現在、どちらの申請方法でも電子メールでの証明書受領が可能になっているので、海外にいる外国人への送付を考慮すると電子メール受領を選択するのがおすすめです。
電子申請と電子メール受領システム
2023年3月17日から開始された在留資格認定証明書の電子メール受領システムは、2025年現在さらに改善され、利用者が増加しています。この新しいシステムの特徴と活用方法について解説します。
電子メール受領システムの概要
在留資格認定証明書の電子メール受領システムとは、従来紙で交付されていた在留資格認定証明書を電子メールで受け取ることができるシステムです。
受け取った電子メールは外国人本人に転送でき、外国人本人はスマートフォンなどで電子メールを提示することで査証申請および上陸申請が可能になります。
電子メール受領のメリット
- 海外郵送の手間・費用・時間が不要
- 紙の証明書の紛失リスクがない
- 即時に外国人本人に転送できる
- 外国人本人はスマートフォンで提示可能
- 環境にやさしいペーパーレス化
電子メール受領の対象者と申請方法
電子メール受領が可能な対象者は以下の2つのカテゴリーに分かれます。
1. オンラインで在留資格認定証明書交付申請を行う方
申請手順
- 在留申請オンラインシステムで申請時に「受領方法」で「メール」を選択
- 審査後、登録したメールアドレス宛に在留資格認定証明書が送信される
- 電子メールに記載されたURLから「受領登録」を行う
※申請完了後は受領方法の変更ができないので注意
2. 窓口申請で電子メール受領を希望する方
申請手順
- 事前に在留申請オンラインシステムで「(窓口申請)在留資格認定証明書電子交付希望者」として利用者登録を行う
- 「在留資格認定証明書電子交付希望申出書」を作成
- 窓口で在留資格認定証明書交付申請時に上記申出書も提出
- 審査後、登録したメールアドレス宛に在留資格認定証明書が送信される
- 電子メールに記載されたURLから「受領登録」を行う
査証申請と上陸申請での電子メールの利用方法
電子メールで受領した在留資格認定証明書は以下のように利用できます。
査証申請(ビザ申請)時
- 外国人本人が在外公館で電子メールを提示して査証申請可能
- 転送されたメールでも問題なし
- 代理人が申請する場合は、電子メールの印刷物の提出も可能
上陸申請(入国審査)時
- 日本の空港や港で電子メールを提示して上陸申請可能
- 転送されたメールでも問題なし
- 印刷物の提出も可能
電子メール受領時の注意点
- 申請時に登録したメールアドレスの受信設定を確認(「@ras-immi.moj.go.jp」からのメールを受信できるようにする)
- 電子メール受領後は必ず「受領登録」を行う(未登録の場合、週に1回確認メールが送信される)
- 電子メールの内容を改変すると無効になる可能性があるので注意
- 電子メールのバックアップを取っておく
2025年の最新改善点
2025年現在、電子メール受領システムには以下のような改善が加えられています。
- 申請者本人が希望すれば多言語での受け取りが可能に
- 署名・捺印不要のペーパーレス化の促進
- 審査状況のオンライン確認機能の強化
- 受領登録のプロセスの簡素化
- オンライン申請と電子メール受領の連携強化
2025年現在、在留資格認定証明書の電子メール受領率は申請全体の約70%に達しています。
また、紙の在留資格認定証明書であっても、写しを提出することで査証申請や上陸申請が可能になったため、原本の海外送付リスクが大幅に軽減されています。
これにより、在留資格認定証明書の紛失や有効期限切れなどのトラブルが減少している傾向にあります。
申請から取得までのステップバイステップ
ここでは在留資格認定証明書の申請から取得、そして外国人の入国までのプロセスを詳細に解説します。
STEP 1: 事前準備
申請前に以下の点を確認・準備します。
- 外国人が取得予定の在留資格を決定する
- 必要書類を確認し、準備を始める
- 申請窓口(管轄の出入国在留管理局)を確認する
- 申請のタイミングを計画する(入国予定日の2〜3カ月前が目安)
- オンライン申請か窓口申請かを決定する
STEP 2: 申請書類の作成
在留資格に応じた申請書と必要書類を作成します。
- 在留資格認定証明書交付申請書を入手・記入(オンライン申請の場合はシステム上で入力)
- 申請人の写真を準備(縦4cm×横3cm、3カ月以内に撮影)
- 在留資格別の必要書類を準備(詳細は後述の「必要書類の詳細」を参照)
- 窓口申請の場合は返信用封筒を準備(宛先記入、簡易書留用切手貼付)
STEP 3: 申請の実施
準備した書類を用いて申請を行います。
オンライン申請の場合
- 在留申請オンラインシステムにログイン
- 「在留資格認定証明書交付申請」を選択
- 必要情報を入力し、書類をPDFでアップロード
- 「受領方法」で「メール」または「郵送」を選択
- 内容を確認して申請を完了
窓口申請の場合
- 管轄の出入国在留管理局の窓口に書類一式を持参
- 申請書と必要書類を提出
- 電子メール受領を希望する場合は「在留資格認定証明書電子交付希望申出書」も提出
- 受付票を受け取る
STEP 4: 審査期間
申請後、出入国在留管理局での審査が行われます。標準処理期間は1〜3カ月です。
ただし、申請内容や時期によって変動します。
特に4月入社に向けた1〜3月は混雑するため、余裕をもって申請しましょう。
審査中に追加書類の提出を求められる場合があります。
その際は速やかに対応しましょう。
STEP 5: 在留資格認定証明書の受領
電子メール受領の場合
- 登録したメールアドレス宛に在留資格認定証明書が送信される
- メールに記載されたURLから「受領登録」を行う
- 受領した電子メールを外国人本人に転送する
郵送受領の場合
- 返信用封筒で在留資格認定証明書が郵送される
- 受け取った在留資格認定証明書を外国人本人に郵送する
STEP 6: 査証(ビザ)申請
外国人本人が居住国の日本大使館・領事館でビザ申請を行います。
- 外国人本人が在外公館に査証申請に必要な書類を準備
- 在留資格認定証明書(電子メールまたは紙)を提示・提出
- 通常5営業日程度でビザが発給される
STEP 7: 日本への入国
ビザを取得した外国人が日本に入国します。
- 在留資格認定証明書の有効期限(発行日から3カ月)内に入国する
- 入国時に在留資格認定証明書(電子メールまたは紙)を提示・提出
- パスポートに上陸許可の証印を受ける
- 在留カードを受け取る(一部空港では後日郵送)
スムーズに進めるためのポイント
- 入国予定日から逆算して十分な余裕をもって申請する
- 書類は漏れなく、正確に作成する
- 外国語の書類には日本語訳を添付する
- 審査中の追加書類要請には迅速に対応する
- 電子メール受領を選択すれば海外送付の時間と手間が省ける
- 証明書受領後は外国人本人との連絡を密に取り、入国までのスケジュールを確認する
必要書類の詳細(在留資格別)
在留資格認定証明書の申請に必要な書類は、取得予定の在留資格によって異なります。
主要な在留資格ごとに必要となる書類を解説します。
全在留資格に共通して必要な基本書類
- 在留資格認定証明書交付申請書:出入国在留管理庁のウェブサイトからダウンロード可能
- 申請人の写真:縦4cm×横3cm、3か月以内に撮影されたもの
- 返信用封筒:宛先明記、簡易書留分の切手貼付(窓口申請かつ郵送受領の場合のみ)
- 在留資格認定証明書電子交付希望申出書:窓口申請で電子メール受領を希望する場合
就労系在留資格の必要書類
就労系在留資格(技術・人文知識・国際業務、特定技能など)の申請では、企業のカテゴリーによって必要書類が異なります。
企業カテゴリー分類
カテゴリー | 該当企業 |
---|---|
カテゴリー1 | 日本の証券取引所に上場している企業などの条件を満たす企業 |
カテゴリー2 | 前年度の給与所得の源泉徴収票などの法定調書合計票の源泉徴収税額が1,000万円以上の企業 |
カテゴリー3 | 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票などの法定調書合計表が提出された団体・個人(カテゴリー2を除く) |
カテゴリー4 | 上記に該当しない企業 |
技術・人文知識・国際業務在留資格の必要書類例
書類の種類 | カテゴリー1 | カテゴリー2 | カテゴリー3 | カテゴリー4 |
---|---|---|---|---|
学歴または職歴証明書類 | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ |
上場証明書類 | ✓ | – | – | – |
源泉徴収票等の法定調書合計表 | – | ✓ | ✓ | – |
労働条件通知書(雇用契約書) | – | – | ✓ | ✓ |
登記事項証明書 | – | – | ✓ | ✓ |
決算書類 | – | – | ✓ | ✓ |
提出免除理由書 | – | – | – | ✓ |
特定技能在留資格の必要書類
特定技能在留資格の申請には、以下のような書類が必要です。
申請人に関する書類
- 特定技能外国人の在留諸申請に係る提出書類一覧表
- 在留資格認定証明書交付申請書
- 特定技能外国人の報酬に関する説明書
- 特定技能雇用契約書の写し
- 雇用条件の写し
- 健康診断個人票
- 1号特定技能外国人支援計画書
- 登録支援機構との支援委託契約に関する説明書
- 試験合格証など技能水準・日本語能力を証明する書類
所属機関に関する書類
- 特定技能所属機関概要書
- 登記事項証明書
- 業務執行に関与する役員の住民票の写し
- 特定技能所属機関の役員に関する誓約書
- 労働保険料納付証明書
- 社会保険料納入状況回答票または健康保険・厚生年金保険料領収証書の写し
- 税務署発行の納税証明書
- 法人住民税の市町村発行の納税証明書(直近1年分)
- 分野ごとの協議会加入証明書
留学在留資格の必要書類
- 入学許可書:日本の教育機関が発行した入学許可証明書
- 在学証明書:現在在学中の学校が発行した証明書(該当者のみ)
- 経費支弁能力を証明する書類
- 経費支弁者名義の預金残高証明書
- 経費支弁者の収入証明書(過去3年分)
- 経費支弁者と申請人との関係を証明する書類(親族の場合)
- 日本語能力を証明する書類(大学・専門学校の場合)
- 日本語能力試験(JLPT)の合格証明書
- 日本留学試験(EJU)の成績通知書
- その他日本語学習履歴を証明する書類
- 学歴証明書:最終学歴の卒業証明書または在学証明書
- カリキュラム:日本の教育機関での学習内容(一部の場合)
身分系在留資格の必要書類
「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」などの身分系在留資格の申請には、関係を証明する書類が必要です。
日本人の配偶者等の場合
- 結婚証明書:婚姻届受理証明書、結婚証明書の原本(外国で婚姻した場合)
- 日本人配偶者の戸籍謄本:発行から3か月以内のもの
- 質問書:交際経緯、結婚の経緯などを記載
- 写真:夫婦の関係を示す写真(結婚式の写真など)
- 身元保証書:日本人配偶者など
- 住民票:日本人配偶者の住民票(発行から3か月以内)
- 在職証明書・収入証明書:経済的基盤を証明するもの
書類作成時の注意点
- 外国語の書類には必ず日本語訳を添付する
- 申請書への署名はシャーペンや消せるボールペンは使用不可
- 提出書類は原則として発行から3ヵ月以内のものが必要
- 書類の記載内容に不一致がないよう確認する
- 必要書類が変更されることもあるため、最新情報を出入国在留管理庁のウェブサイトで確認する
有効期限と注意点
在留資格認定証明書には有効期限があり、期限内に適切に使用しなければ効力を失います。
有効期限や取扱いに関する重要な注意点を解説します。
在留資格認定証明書の有効期限
在留資格認定証明書の有効期限は発行日から3カ月間です。
この期間内に外国人が日本に入国(上陸申請)する必要があります。
有効期限切れの場合の対応
有効期限が切れてしまった場合、再発行はできません。
最初から申請をやり直す必要があります。
新型コロナウイルス感染症の影響で一時的に有効期限が延長される特例措置がありましたが、2025年現在はこの特例は終了しており、通常の3カ月間の有効期限が適用されています。
在留資格認定証明書紛失時の対応
在留資格認定証明書を紛失した場合も再発行はできません。
最初から申請をやり直す必要があります。
しかし、2023年3月17日以降、以下の対応が可能になりました。
- 電子メールで受領した場合は、そのメールを再度転送することで対応可能
- 紙の在留資格認定証明書の場合でも、その写しを提出することで査証申請や上陸申請が可能
ただし、写しを作成する場合は表面と裏面の両面を作成する必要があります。
入国取りやめ時の返納義務
在留資格認定証明書が交付された後に、入国を取りやめる場合(内定取消や辞退など)は、交付を受けた出入国在留管理局に返納する義務があります。
返納方法は以下の通りです。
- 在留資格認定証明書の原本
- 返納理由を記載した文書(任意様式または出入国在留管理庁提供の参考様式を使用)
返納理由書には以下の項目を記載します。
- 申請番号
- 返納者の氏名
- 申請人との関係
- 返納理由
重要な注意点
- 在留資格認定証明書は、その交付によって必ずビザが発給されることを保証するものではありません
- 在外公館でのビザ審査や入国審査で不許可となる可能性もあります
- 上陸申請時に写しを提出した場合、紙の原本は交付を受けた出入国在留管理局に返納する必要があります(入国を取りやめた場合)
- 有効期限内であっても使用しないまま放置すると、次回申請時に不利になる可能性があります
- 特定技能の在留資格認定証明書については、2023年3月17日以降、裏面に指定書が添付されなくなりましたが、有効性には問題ありません
結核スクリーニングの導入について(2025年最新情報)
2025年現在、外国人の入国前結核スクリーニング制度が導入されています。
この制度は在留資格認定証明書の申請・交付に影響を与える重要な制度です。
制度導入の背景
当初は2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会までに開始予定だった入国前結核スクリーニング制度は、新型コロナウイルス感染症に関する水際対策により延期されていました。
しかし、水際対策終了後、外国からの入国者数の増加に伴い、外国生まれの結核患者数の増加が顕著になったため、令和7年(2025年)中に制度が開始されました。
結核スクリーニングの主な内容
- 対象者:中長期在留資格で日本に入国する外国人
- 方法:指定された医療機関でのX線検査等
- 時期:在留資格認定証明書交付後、入国前
- 証明書:検査結果を示す証明書の取得
- 提示:査証申請時および上陸申請時に提示
申請者が知っておくべきポイント
この制度の導入により、在留資格認定証明書の申請者が知っておくべき重要なポイントがあります。
- 在留資格認定証明書が交付された外国人は、入国前に結核スクリーニングを受ける必要があります
- スクリーニングは指定された医療機関でのみ有効(外国人居住国内の指定医療機関リストが公開されています)
- スクリーニング結果の証明書は、査証申請時および上陸申請時に必要です
- 結核陽性と診断された場合、治療が完了するまで入国できない可能性があります
- スクリーニング証明書の有効期間はX線検査日から原則180日(約6か月)です
実務上の影響と対応策
この制度導入により、在留資格認定証明書交付から入国までのプロセスに追加のステップが必要になりました。
申請者は以下の対応をとることをおすすめします。
- 在留資格認定証明書の申請時から、結核スクリーニングの要件を外国人本人に伝えておく
- 外国人居住国内の指定医療機関をあらかじめ調査しておく
- 在留資格認定証明書の有効期限(3か月)を考慮し、スクリーニング検査のタイミングを計画する
- スクリーニング結果証明書の取得から入国までのスケジュールを詳細に計画する
- 必要に応じて、在外公館や出入国在留管理局に最新情報を確認する
よくある質問と回答
Q1: 在留資格認定証明書はどのように取得できますか?
A1: 在留資格認定証明書は、外国人本人または受け入れ企業、在日親族、行政書士等が日本国内で申請人の予定居住地または受け入れ企業等の所在地を管轄する出入国在留管理局に申請することで取得できます。
申請方法はオンラインと窓口の2種類があります。
Q2: 在留資格認定証明書の審査に何日かかりますか?
A2: 通常、申請から1〜3カ月程度の審査期間がかかります。
ただし、申請内容や時期によって変動します。特に1月から3月は4月入社に向けた申請が集中するため、審査期間が長くなる傾向があります。
余裕をもって申請することをおすすめします。
Q3: 在留資格認定証明書と在留カードの違いは何ですか?
A3: 在留資格認定証明書は、日本に入国するための資格を満たしていることを証明する書類で、日本に入国する前に必要です。
一方、在留カードは日本に滞在している外国人の在留資格などを証明するもので、入国後に交付され、日本滞在中に必要となる身分証明書です。
Q4: 在留資格認定証明書を電子メールで受領するにはどうすればいいですか?
A4: オンライン申請の場合は、申請時に「受領方法」で「メール」を選択します。
窓口申請の場合は、事前に在留申請オンラインシステムで「(窓口申請)在留資格認定証明書電子交付希望者」として利用者登録を行い、窓口で申請時に「在留資格認定証明書電子交付希望申出書」を提出します。
Q5: 在留資格認定証明書が不交付になった場合はどうすればいいですか?
A5: 不交付になった原因を特定し、解決した上で再申請する必要があります。
出入国在留管理局に不交付の理由を確認することができるため、まずは理由を確認しましょう
。虚偽の申告や過去の入国拒否歴などが原因となっている可能性があります。
Q6: 在留資格認定証明書を紛失した場合はどうすればいいですか?
A6: 2023年3月17日以降、電子メールで受領した場合はそのメールを再度転送することで対応可能です。
紙の在留資格認定証明書の場合でも、写し(表面と裏面の両面)を提出することで査証申請や上陸申請が可能になりました。
完全に紛失して写しも用意できない場合は、再申請が必要です。
Q7: 在留資格認定証明書の有効期限が切れた場合、延長はできますか?
A7: 通常、有効期限(3カ月間)の延長はできません。
有効期限が切れた場合は、再度申請が必要です。
新型コロナウイルス感染症の影響による有効期限延長の特例措置は2025年現在終了しています。
Q8: 査証申請で在留資格認定証明書を提示したのに不許可になることがありますか?
A8: はい、可能性はあります。在留資格認定証明書はビザ発給を保証するものではありません。
ビザ審査過程で発給基準を満たさないことが判明した場合は、在留資格認定証明書が発行されていてもビザが発給されないことがあります。
不許可の場合は、再度出入国在留管理局で在留資格認定証明書交付申請をする必要があります。
Q9: 在留資格「特定技能」の在留資格認定証明書の裏面に指定書がついていませんが問題ありませんか?
A9: 問題ありません。
2023年3月17日から、在留資格「特定技能」の在留資格認定証明書について、裏面に指定書を添付する取扱いは廃止されました。
これは電子メール受領の導入や写しでの提出許容に伴う変更であり、在留資格認定証明書の有効性に影響はありません。
Q10: 結核スクリーニングはいつ受ける必要がありますか?
A10: 結核スクリーニングは在留資格認定証明書の交付を受けた後、査証申請前に受ける必要があります。
スクリーニング証明書の有効期間は検査日から3カ月間ですが、在留資格認定証明書の有効期限(発行から3カ月間)も考慮して、なるべく早めに受けることをおすすめします。
トラブル対応方法
在留資格認定証明書の申請から入国までのプロセスでは、様々なトラブルが発生する可能性があります。
よくあるトラブルとその対応方法を解説します。
1. 在留資格認定証明書が不交付になった場合
対応方法
- 出入国在留管理局に不交付の理由を確認する
- 不交付の原因(書類の不備、資格要件不足など)を特定する
- 原因を解決した上で再申請を行う
- 複雑なケースでは行政書士などの専門家に相談する
※不交付となる主な原因:虚偽申告、資格要件不足、過去の入国拒否歴、書類の不備など
2. 査証(ビザ)申請が不許可になった場合
対応方法
- 在外公館では個別に不許可の理由を聞くことはできない
- 再度、出入国在留管理局で在留資格認定証明書交付申請をする必要がある
- 申請内容を見直し、書類の正確性を高める
- 在留資格認定証明書交付の際に強調しなかった点(経済的基盤、学歴など)を補強する
3. 在留資格認定証明書を紛失した場合
対応方法
- 電子メールで受領した場合:メールを再度転送する
- 紙の在留資格認定証明書の場合
- 写しがあれば、その写し(表面・裏面両方)を使用できる
- 写しもない場合は再申請が必要
- 送付時には追跡可能な国際郵便を利用する(再発送の場合)
4. 有効期限が切れそうな場合/切れてしまった場合
対応方法
- 有効期限が切れそうな場合
- 外国人本人に早急に査証申請と入国手続きを促す
- 特に時間がかかる手続き(結核スクリーニングなど)を優先的に進める
- 有効期限が切れてしまった場合
- 再申請が基本だが、同じ書類を再利用できる場合が多い
- 前回と同じ書類を使う場合は「前回提出した○○(書類名)と同じ」と付記すると審査がスムーズになることがある
5. 入国後、在留カードが郵送されない場合
対応方法
- 入国から2週間以上経過しても届かない場合、管轄の市区町村役場で住民登録を済ませているか確認
- 住民登録済みの場合、最寄りの出入国在留管理局または外国人在留総合インフォメーションセンターに問い合わせる
- 転居などで住所変更があった場合は、14日以内に市区町村役場で転居届を提出する
トラブル予防のポイント
- 早めの準備・申請:余裕をもったスケジュールを立てる
- 情報の正確性:申請書類の内容に虚偽や矛盾がないようにする
- 書類の管理:重要書類は写しを保管し、電子データでもバックアップを取る
- 送付方法の工夫:重要書類の送付には追跡可能な方法を使用する(または電子メール受領を選択)
- 最新情報の確認:出入国在留管理庁のウェブサイトで最新情報や制度変更を定期的に確認する
- 専門家の活用:複雑なケースや不安がある場合は、行政書士などの専門家に相談する
まとめ
本記事では、在留資格認定証明書の申請から取得、活用までを網羅的に解説しました。
在留資格認定証明書の申請は、外国人を日本に招へいするための最初のステップです。
本記事で解説した内容を参考に、正確な情報と計画的な準備で、スムーズな申請・取得を実現してください。
なお、法令や制度は変更される可能性があるため、最新情報は法務省出入国在留管理庁の公式ウェブサイトでご確認いただくことをおすすめします。
特に複雑なケースについては、行政書士などの専門家に相談することも検討してください。
みなとまち行政書士事務所のビザ取得サポートサービス
みなとまち行政書士事務所は、コンサルティングから書類作成はもちろん、入国管理局への申請までサポートさせていただきます。
サービス内容
- ビザ(在留資格)取得に関するコンサルティング
- 入国管理局へ提出する書類の収集
- 入国管理局へ提出する書類の作成
- 入国管理局へ申請
- 結果受領に至るまでのサポート
費用
サポートの流れ
-
1.お問い合わせ
電話(06-4305-7395)や、お問合せフォーム(こちら)からお問い合わせください。
些細なことでもお気軽にお尋ねください。
ビザ取得の可能性が極端に低い場合などは理由をご説明します。 -
2.面接 / 見積
ご依頼を検討いただける場合、資料などを拝見し、更に細かくお話をお聞きさせていただくべく面談をさせていただきます。
また、費用やサポート内容についてもご説明させていただきます。 -
3.ご依頼の確定
サポート内容や費用等の条件にご納得いただければ、ご依頼を確定することを申し付けください。
着手金をお支払いいただきまして、正式なご依頼とさせていただきます。 -
4.書類の収集・作成
メール等でヒアリングをさせていただきながら、当事務所が作成または取得できる書類は代行して手配いたします。
お客様で準備、作成していただく必要がある書類はご協力をしていただきます。 -
5.申請
入国管理局へ申請します。申請後は速やかに申請日と受理番号をお知らせします。
後日、入国管理局から追加資料や事情説明などが求められる場合がありますが、その際はご連絡の上で速やかに対応します。
審査の進捗状況なども適宜確認、ご報告いたします。 -
6.残金のご入金
申請のタイミングで残りの費用をお支払いいただきます。
-
6.許可・不許可の連絡
入国管理局から許可通知が届き次第、ご連絡いたします。
同時にビザ受領に必要な証印手続きの準備を行い入国管理局に出頭します。
ビザの受領が終わり次第お客様にお渡しします。
この記事を書いた人
みなとまち行政書士事務所の可児(かに)と申します。
定型的な業務以外にもできる限り対応させていただいております。
お困り事がありましたらお気軽にお問い合わせ下さい。
経歴紹介
理工系の学部卒業
機械製造メーカーに就職 金型の設計部門に配属
2年半後に、父親の経営する自動車部品メーカーに転職
製造設備のオペレーター、品質管理の責任者を経て代表取締役に就任(39歳のとき)
事業会社を売却、代表取締役退任
行政書士事務所開業、現在に至る