外国人をコンビニエンスストアの社員として雇用する
ビザ(在留資格)申請サポート
東京や大阪など都心のコンビニエンスストアでは、店員さんが外国人ばかりというのは、もはや当たり前の風景になっています。(ワタシの住む郊外ではコンビニに外国人の方は見当たりませんが・・・。)
おそらくこれらの外国人の方々の大半は、「留学」の在留資格を持って在留し「資格外活動許可」を得て、アルバイトとして制限された時間内の就労をされているものと思われます。
以前、コンビニエンスストアのオーナーからこのようなお問い合わせをいただきました。
『アルバイトの留学生を卒業後に正社員として雇用したいんだけど・・・。』
こちらの記事では外国人をコンビニエンスストアの社員として雇用するためにはどのような種類の在留資格があるのかについて解説したいと思います。
通常の就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)では雇うことはできません
外国人を社員として雇用する場合、まず「技術・人文知識・国際業務」という在留資格が思い浮かびます。
しかし、コンビニエンスストアの社員として雇用したい外国人に対して在留資格「技術・人文知識・国際業務」を申請することはできません。
なぜなら、この在留資格「技術・人文知識・国際業務」では、日本国内でできる活動(仕事)は以下のごとく制限されているからです。
在留資格 | 行うことができる活動(仕事) | 仕事の例 |
技術 | 本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学,工学その他の自然科学の分野に属する技術又は知識を要する業務に従事する活動 | 機械工学等の技術者 |
人文知識・国際業務 | 本邦の公私の機関との契約に基づいて行う法律学,経済学,社会学その他の人文科学の分野に属する知識を必要とする業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する 活動 | 通訳,デザイナー,私企業の語学教師等 |
法律の文言ですから少し分かりにくいですが、端的に言うと「専門的な知識を有する人が、その専門的な知識を必要とする仕事にしか就くことができない。」ということになります。
コンビニエンスストアの店員は、いわゆる現業(事務や営業などでなく、工場や作業場で行う労務、現場の業務のこと)と呼ばれる業務に該当し、専門性が不要な単純労働とみなされているため、在留資格「技術・人文知識・国際業務」の対象とはならないとされています。
上記の理由によりコンビニエンスストアの社員として雇用したい外国人に対して在留資格「技術・人文知識・国際業務」を申請することはできません。
では、どうすればいいのか?
クリアすべき条件はありますが、「特定活動」という在留資格を申請するという手段があります。
在留資格「特定活動」というのは、他の在留資格の類型に当てはまらない外国人に対して、法務大臣が個々に活動を指定し付与するという在留資格です。
「他の類型に当てはらない」と書きましたが、この「特定活動」の中である程度類型化されていて、それらは「告示特定活動」と呼ばれています。(告示特定活動に該当しない特定活動は「告示外特定活動」と呼ばれています。)
「特定活動」は50号までの類型が告示されておりますが、その中の告示46号【本邦大学卒業者】の在留資格を受けることができればコンビニエンスストアで外国人を正社員として雇用することができます。
在留資格「特定活動」告示46号の要件とは?
在留資格「特定活動」を申請するためには、クリアすべき要件があると書きました。
46号の告示には以下のように記されています。
別表第十一に掲げる要件のいずれにも該当する者が、法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて、当該機関の常勤の職員として行う当該機関の業務に従事する活動(日本語を用いた円滑な意思疎通を要する業務に従事するものを含み、風俗営業活動及び法律上資格を有する者が行うこととされている業務に従事するものを除く。)
噛み砕いて見ていくことしします。
別表第十一に掲げる要件のいずれにも該当する者とは?
「別表第十一に掲げる要件のいずれにも該当する者」とは、以下の全てに該当する人のことです。
- 日本の大学(短期大学を除く)を卒業もしくは、大学院の課程を終了してして学位を授与されたこと。
- 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。
- 日本語能力試験N1合格、BJTビジネス日本語能力テストで480点以上、または国内外の大学・大学院で日本語を専攻した
- 日本の大学、大学院の専門課程の学科において修得した学修の成果等を活用するものと認められること。
※短期大学卒業者、高等専門学校卒業者においても「大学設置基準」および「学位規則」に定められた一定の基準を満たす者は要件に該当するものと定められておりますが、ここでは説明を省略いたします。(詳しくはコチラをご覧ください。)
日本語を用いた円滑な意思疎通を要する業務とは?
この在留資格は従来の就労ビザでは就くことができなかった現業(例えば、サービス業務や製造業務)にも就くことができますが、全くのフリーハンドで単純労働ができるというわけではありません。
「日本語を用いた円滑な意思疎通を要する業務」が含まれていることが求められています。コンビニエンスストアでは、他の外国人従業員への指示や新人アルバイトの指導などがこれに当たると思われます。
その他の注意点
ガイドラインが設けられており上記以外の細かな点が定められています。
以下抜粋です。
- 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること
- フルタイムの社員としての雇用であること(パートやアルバイトは対象外)
- 派遣社員として派遣先で就労することはできない
まとめ
外国人をコンビニエンスストアの社員として雇用するための在留資格について解説しました。
雇用するためのハードルは低くはないですが、従来(2019年以前)は認められなかったコンビニエンスストアで正社員として外国人を雇用する選択が設けられたことはコンビニオーナーにとっても外国人にとっても朗報ではでしょうか。
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みなとまち行政書士事務所は、コンサルティングから書類作成はもちろん、入国管理局への申請までサポートさせていただきます。
サービス内容
- ビザ(在留資格)取得に関するコンサルティング
- 入国管理局へ提出する書類の収集
- 入国管理局へ提出する書類の作成
- 入国管理局へ申請
- 結果受領に至るまでのサポート
費用
サポートの流れ
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電話(06-4305-7395)や、お問合せフォーム(こちら)からお問い合わせください。
些細なことでもお気軽にお尋ねください。
ビザ取得の可能性が極端に低い場合などは理由をご説明します。 -
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ご依頼を検討いただける場合、資料などを拝見し、更に細かくお話をお聞きさせていただくべく面談をさせていただきます。
また、費用やサポート内容についてもご説明させていただきます。 -
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サポート内容や費用等の条件にご納得いただければ、ご依頼を確定することを申し付けください。
着手金をお支払いいただきまして、正式なご依頼とさせていただきます。 -
4.書類の収集・作成
メール等でヒアリングをさせていただきながら、当事務所が作成または取得できる書類は代行して手配いたします。
お客様で準備、作成していただく必要がある書類はご協力をしていただきます。 -
5.申請
入国管理局へ申請します。申請後は速やかに申請日と受理番号をお知らせします。
後日、入国管理局から追加資料や事情説明などが求められる場合がありますが、その際はご連絡の上で速やかに対応します。
審査の進捗状況なども適宜確認、ご報告いたします。 -
6.残金のご入金
申請のタイミングで残りの費用をお支払いいただきます。
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6.許可・不許可の連絡
入国管理局から許可通知が届き次第、ご連絡いたします。
同時にビザ受領に必要な証印手続きの準備を行い入国管理局に出頭します。
ビザの受領が終わり次第お客様にお渡しします。
この記事を書いた人
みなとまち行政書士事務所の可児(かに)と申します。
観葉植物用に育成用のライトを購入しました。
寒い間に何枚か葉を落としたゴムの木から新しい葉がどんどん開き始めました。
皆さま、オススメいたします。