外国人向け|日本で会社設立する手順を徹底解説【経営・管理ビザにも対応】
ビザ(在留資格)申請サポート
日本でビジネスを始めたいと考えている外国人の方にとって、会社を設立することは「経営・管理」ビザ取得の第一歩です。
しかし、会社設立にはいくつもの手続きが必要で、順番を間違えると時間や費用が余分にかかってしまうことも。
こちら記事では、初めての方でも分かりやすいように、日本での株式会社設立の流れを一つずつ丁寧に解説していきます。
株式会社設立の基本的な流れ
一般的に、(現金出資による発起設立における)株式会社の設立の流れは、以下のステップで進められます。
- 発起人を決める
- 会社の概要を決める
- 会社印を作成する
- 定款を作成する
- 定款の認証を受ける
- 資本金(出資金)を払い込む
- 登記申請
設立手続きのステップ詳細
それでは一つ一つの項目について少し詳細に見ていきたいと思います。
1.発起人を決める
会社の設立準備にあたる人のことを発起人といいます。具体的には、資本金の出資や定款の作成などを行います。
会社設立の後は、出資した資本金の金額に応じて株式が発行されることで、その会社の株主となります。
発起人が担う具体的な役割の一例は、以下のとおりです。
- 会社に出資する(1株以上の出資をする)
- 会社の重要事項を決める
- 定款の作成・認証その他、会社設立に関する手続きを行う
また発起人は上記のような役割を担うことから、基本的には会社設立までの行為に関して責任が規定されています。
具体的には以下のとおりです。
- 会社設立ができなかった場合、その後始末について責任を負う
- 会社設立の手続きについて、自身の役割を怠り会社に損害を与えた場合、その損害を賠償する責任を負う
- 仮装の払い込み(実質的には払い込みといえず、外観上の払い込みを作り出す行為)が行われた場合や、現物出資(金銭以外の財産を出資に充てること)の財産が定款に記載された価額に著しく不足する場合、その不足分を支払う
発起人の人数は、1名以上であれば人数制限は定められていません。
また、発起人の資格について制限はなく、未成年や法人、外国人であっても発起人になれます。
2.会社の概要を決める
具体的には以下の項目を決めます。
- 社名
- 事業目的
- 所在地
- 資本金の額
- 1株あたりの金額(株価)
- 設立日
- 株主の構成(持株比率)
- 役員の構成
- 会計年度
3.印鑑を作成する
後に行う登記手続きを行う際に、提出する申請書に会社の代表印を押印する必要があります。
代表印は、登記申請を行う際に一緒に届出をしなければいけません。
4.定款を作成する
定款とは、設立する会社がどういう会社であるのかを説明する書類です。
商号や所在地などの情報だけでなく法人の決まり事なども記載されており、法人における憲法のような意味合いを持ちます。
定款は発起人が会社の設立前に作成する必要があります。
定款の記載事項には、絶対的記載事項、相対的記載事項、任意的記載事項の3種類があり、絶対的記載事項とは必ず記載しなければならない事項をいい、記載がない場合には定款自体が無効となってしまいます。
- 目的
- 社名(商号)
- 本店の所在地
- 設立に際して出資される財産の価額またはその最低額
- 発起人の氏名(または名称)及び住所
定款は紙の定款と電子定款があり、費用の面(4万円の違い)から電子定款が選ばれるケースが多いようです。
5.定款の認証を受ける
上記で作成した定款は、会社の本店の所在地(都府県)を管轄する法務局又は公証役場において認証を受ける必要があります。
6.資本金(出資金)を払い込む
定款の認証を受けたら、発起人は引き受けた株数に相当する金額を資本金(出資金)として金融機関(発起人の個人口座)に払い込みます。
(この時点ではまだ会社の銀行口座が作れないため、振込先は発起人の個人口座になります。)
個人口座に預金残高がある場合でも振込があったことの事実が分かるようにするため、出資金分の金額を一度引き出した後に改めて入金し直す必要があります。
また、後の手続きで必要となりますので、通帳のコピー(表紙裏のページ、振込記録があるページ)を取ります。
後に、これらのコピーと併せて「払い込みを証する書面」を作成します。
会社設立後には、個人口座から会社の口座に振り替えをします。
7.登記申請
株式会社の設立の登記においては、主に次に掲げる事項を登記しなければなりません。
- 目的
- 商号
- 本店及び支店の所在場所
- 資本金の額
- 発行可能株式総数
- 発行する株式の内容
- 発行済株式の総数並びにその種類及び種類ごとの数
- 取締役の氏名
- 代表取締役の氏名及び住所
- 公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め
また申請書には、主に次の書面を添付しなければなりません。
- 定款(公証人による認証済のもの)
- 発起人全員の同意又はある発起人の一致があったことを証する書面
- 設立時取締役等の就任承諾書
- 設立時代表取締役の就任承諾書
- 金銭の払込みがあったことを証する書面
- 印鑑証明書(設立時取締役が就任承諾書に押印した印鑑につき市町村長が作成した印鑑証明書|取締役会非設置会社の場合|)
- 設立時取締役等の本人確認証明書(設立時取締役等が就任承諾書に押印した印鑑につき市町村長の印鑑証明書が添付されている場合を除く。)
- 設立時取締役が設立時代表取締役を選定したときは、これに関する書面
- 代理人によって登記を申請するときは、その権限を証する書面
なお、書面申請の場合は、印鑑届書に所要事項を記載し、届出印(会社代表者印)を押印するほか、会社代表者の個人印をも押印し、当該印鑑届書を提出しなければなりません(商業登記規則第9条第1項、第5項)。
登記後に必要な手続き
登記完了後も、会社を正常に運営していくために、さまざまな届出や手続きが必要です。
ここで怠ると、後々トラブルの原因になってしまうので、忘れずに対応しましょう。
銀行口座の開設
会社名義の銀行口座を開設します。
資本金を入金した個人口座から、会社名義の口座へ正式に資金を移動させ、法人としての資金管理をスタートさせます。
金融機関によっては、審査が厳しい場合もあるため、必要書類をしっかり整えましょう。
税務署・年金事務所などへの届出
会社設立後、1か月以内に次の機関へ必要な届出を行います。
- 税務署(法人設立届出書、青色申告承認申請書など)
- 都道府県税事務所、市区町村役場
- 年金事務所(健康保険・厚生年金の加入手続き)
- 労働基準監督署(労災保険の手続き)
- ハローワーク(雇用保険の手続き)
まとめ
日本で会社を設立する手続きは、少し手間がかかりますが、順を追ってしっかり進めれば必ず実現できます。
特に外国人の方が「経営・管理」ビザを取得する場合、設立準備の段階から慎重に対応することが重要です。
この記事を参考に、ぜひスムーズな会社設立を目指してください!
みなとまち行政書士事務所のビザ取得サポートサービス
みなとまち行政書士事務所は、コンサルティングから書類作成はもちろん、入国管理局への申請までサポートさせていただきます。
サービス内容
- ビザ(在留資格)取得に関するコンサルティング
- 入国管理局へ提出する書類の収集
- 入国管理局へ提出する書類の作成
- 入国管理局へ申請
- 結果受領に至るまでのサポート
費用
サポートの流れ
-
1.お問い合わせ
電話(06-4305-7395)や、お問合せフォーム(こちら)からお問い合わせください。
些細なことでもお気軽にお尋ねください。
ビザ取得の可能性が極端に低い場合などは理由をご説明します。 -
2.面接 / 見積
ご依頼を検討いただける場合、資料などを拝見し、更に細かくお話をお聞きさせていただくべく面談をさせていただきます。
また、費用やサポート内容についてもご説明させていただきます。 -
3.ご依頼の確定
サポート内容や費用等の条件にご納得いただければ、ご依頼を確定することを申し付けください。
着手金をお支払いいただきまして、正式なご依頼とさせていただきます。 -
4.書類の収集・作成
メール等でヒアリングをさせていただきながら、当事務所が作成または取得できる書類は代行して手配いたします。
お客様で準備、作成していただく必要がある書類はご協力をしていただきます。 -
5.申請
入国管理局へ申請します。申請後は速やかに申請日と受理番号をお知らせします。
後日、入国管理局から追加資料や事情説明などが求められる場合がありますが、その際はご連絡の上で速やかに対応します。
審査の進捗状況なども適宜確認、ご報告いたします。 -
6.残金のご入金
申請のタイミングで残りの費用をお支払いいただきます。
-
6.許可・不許可の連絡
入国管理局から許可通知が届き次第、ご連絡いたします。
同時にビザ受領に必要な証印手続きの準備を行い入国管理局に出頭します。
ビザの受領が終わり次第お客様にお渡しします。
この記事を書いた人
みなとまち行政書士事務所の可児(かに)と申します。
先日、下の娘が二十歳の誕生日を迎えました。
「抱っこ、抱っこ」とせがまれていたのがつい昨日の事のように感じられますが、あれからもう十数年が経ったということになります。
あの時もっと抱っこをしておけば良かったと今更ながら思われます。
経歴紹介
理工系の学部卒業
機械製造メーカーに就職 金型の設計部門に配属
2年半後に、父親の経営する自動車部品メーカーに転職
製造設備のオペレーター、品質管理の責任者を経て代表取締役に就任(39歳のとき)
事業会社を売却、代表取締役退任
行政書士事務所開業、現在に至る