お役立ち情報

お問い合わせ ページトップへ

外国人派遣と在留資格:企業と外国人労働者のための完全ガイド

ビザ(在留資格)申請サポート 

 

 

日本の少子高齢化による労働力不足は、多くの産業に深刻な影響を与えています。
この課題に対応するため、外国人労働者の活用、特に派遣形態での雇用に注目が集まっています。
しかし、外国人を派遣社員として雇用する際には、在留資格(ビザ)の種類や制限を正確に理解することが不可欠です。

本記事では、外国人派遣と在留資格の関係性を詳しく解説し、企業が適切に外国人を派遣労働者として受け入れるための情報をご紹介します。
また、外国人労働者にとってのメリットや、雇用する企業側の注意点も詳細に説明していきます。

 

日本における外国人労働力の需要

日本の労働市場では、建設業、製造業、飲食サービス業、介護業などを中心に、深刻な人手不足が続いています。
厚生労働省の統計によれば、有効求人倍率は特定の業種で2.0を超えることもあり、企業が必要な人材を確保することが難しくなっています。

こうした状況を背景に、外国人労働者、特に派遣形態での雇用に対するニーズが高まっています。
派遣形態は企業にとって柔軟な人材活用が可能であり、外国人労働者にとっても日本での就労経験を積む機会となります。

 

外国人派遣の課題

外国人を派遣労働者として雇用する際には、いくつかの課題があります。

  1. 在留資格と就労制限の理解
    各在留資格に応じた就労制限を理解し、適切な業務に就かせる必要があります。
  2. 言語・文化的なコミュニケーション障壁
    日本語能力や文化的な違いによるコミュニケーション上の問題
  3. 法的要件の順守
    外国人雇用状況の届出など、法的義務の履行
  4. 適切な待遇と支援体制
    日本での生活を支える適切な給与や福利厚生の提供

これらの課題に適切に対応することで、外国人派遣の効果を最大限に高めることができます。

 

派遣で雇用できる主な在留資格

身分系の在留資格

永住者、定住者、日本人の配偶者など身分系の在留資格を持つ外国人は、日本人とほぼ同等の就労の自由があります。
すべての仕事が可能で、就労時間の制限もありません。
また、在留期間に関しても永住者は無制限、他は1~5年(更新可能)となっています。
このように身分系の在留資格を持つ外国人は、派遣社員として特に制限なく働くことができるため、企業側にとっても採用しやすい人材であるといえます。

技人国ビザ

技人国ビザ(技術・人文知識・国際業務ビザ)と呼ばれる在留資格は、専門的な知識や技術を持つ外国人が取得するもので、いわゆるホワイトカラー業務(通訳、営業、事務、エンジニアなど)に就くことができます。
就労時間は短時間勤務も可能ですがフルタイムが推奨されており、在留期間は1~5年(更新可能)となっています。
※短時間勤務の場合、更新時に不利になることがあります。
また、工場の単純作業やコンビニや飲食店の現場作業などはこのビザでは働くことができません。
この在留資格で派遣社員として働く場合、派遣先での業務内容が在留資格で認められた範囲内であることが必要です。
また、大学や専門学校での専攻と関連した業務、または実務経験と関連した業務に就くことが求められます。

特定技能

特定技能の在留資格は、特定の産業分野における人材不足を補うために2019年に創設されました。
派遣可能な業務は農業と漁業のみになります。
原則フルタイムで、特定技能1号は通算5年まで、特定技能2号は更新に制限なしとなっています。
特定技能の派遣は、農業と漁業に限定されており、繁忙期と閑散期が明確である業種特性を考慮した特例として認められています。
その他の12分野では原則として直接雇用が求められます。

家族滞在・留学生(資格外活動)

留学生や家族滞在の在留資格を持つ外国人も、資格外活動許可を得ることで、制限内で派遣社員として働くことができます。
ただし、就労時間の制限があるため、短時間のアルバイト的な雇用形態になります。
就労時間制限は週28時間以内で、風営法適用事業以外のすべての業種で働くことができます。

 

外国人派遣と在留資格の関係

外国人が派遣社員として働く場合、就労可能かどうかの判断は派遣元の業務ではなく、派遣先の業務内容で判断されます。
これは非常に重要なポイントです。

例えば、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持つ外国人を、工場での単純労働に派遣することはできません。
派遣先の業務が在留資格で認められた範囲内の業務である必要があります。

また、外国人の在留期間は、派遣契約の期間より長くなければなりません。
派遣契約が在留期間を超えてしまうと、契約途中で就労できなくなるため、派遣元・派遣先の双方にとって問題となります。

派遣元は外国人社員の在留期間を常に把握し、契約期間と在留期間の整合性を確認する必要があります。
また、在留期間の更新手続きのサポートも重要な役割です。

不法就労を防ぐためには下記の事項を確認するようにしましょう。

在留カードの確認:有効な在留資格と在留期間を持っているか
在留資格と業務内容の整合性:派遣先の業務が在留資格で認められた範囲内か
就労時間の制限:資格外活動などで就労時間に制限がある場合、その範囲内か
在留期間と派遣契約期間の整合性:派遣期間が在留期間を超えていないか

 

外国人派遣のメリット

ここでは外国人派遣のメリットを企業側、労働者側の視点からご紹介します。

企業側のメリット

外国人を派遣社員として受け入れることは、企業にとって以下のようなメリットがあります。

  1. 人材不足の解消:日本人の応募が少ない職種や時間帯でも人材確保が可能
  2. 多様性の確保:異なる文化的背景を持つ人材による新たな視点の導入
  3. 語学力の活用:外国語対応が必要な業務での活用
  4. 柔軟な雇用調整:繁忙期と閑散期に応じた人材の調整が可能
  5. 採用コストの削減:派遣会社が採用や管理を担当するため、コスト削減が可能

特に、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持つ外国人は、専門的なスキルを持っていることが多いため、高度な業務にも対応できます。

外国人労働者側のメリット

外国人が派遣社員として働くことのメリットには、以下のようなものがあります。

  1. 社会保険への加入:フルタイム勤務の場合、社会保険に加入できる
  2. 住居の確保:寮などの住居サポートがある場合も多い
  3. 日本での就労経験:日本企業での経験を積むことができる
  4. キャリアアップの足がかり:将来的な正社員雇用への足がかりになる
  5. 日本語能力の向上:実務を通じた日本語能力の向上が期待できる

派遣社員としての就労は、日本での就労経験がない外国人にとって、採用のハードルが低く、日本社会に参入する良い機会となります。

 

 

外国人派遣の注意点

外国人を雇用する事業主には、ハローワークへの「外国人雇用状況」の届出義務がありますので注意しましょう。
届出のタイミングは雇入れ時と離職時で、提出期限は雇用保険被保険者の場合は翌月10日まで、それ以外は翌月月末までになります。
届出の内容は氏名、在留資格、在留期間、生年月日など決められた項目がありますので、すべて正しく届出するようにしましょう。
特別永住者や外交・公用の在留資格を持つ外国人は届出の対象外になります。

また、外国人労働者に対しても日本人労働者と同様に労働関係法令が適用されるので、労働条件の明示や賃金の支払いなど規定に沿って行うようにしましょう。
規定に違反すると派遣元は労働基準法違反として罰則を受ける可能性がありますので注意が必要です。

 

外国人派遣の実務と流れ

外国人労働者を派遣する際の一般的な流れは以下の通りです。

  1. 派遣条件の提示:派遣先が派遣元に条件(業務内容、期間、必要スキルなど)を提示
  2. 人選:派遣元が条件に合う外国人を選定(在留資格と業務内容の整合性を確認)
  3. 派遣契約の締結:派遣先と派遣元間で派遣契約を締結
  4. 雇用契約の締結:派遣元と外国人労働者間で雇用契約を締結
  5. 就労開始前の準備:派遣先における業務内容の説明、研修など
  6. 就労開始:派遣先での業務開始

この過程では、外国人労働者の在留資格と派遣先での業務内容の整合性を特に重視する必要があります。

また、外国人派遣社員が円滑に就労できるように在留期間の管理やコミュニケーションのサポート、キャリア支援などを行う必要があります。
特に言語面でのサポートは業務の質を高め、ミスコミュニケーションによるトラブルを防ぐために非常に重要です。

 

まとめ

外国人を派遣社員として雇用することは、日本の労働力不足を解消するための有効な手段となります。
ただし、在留資格と派遣先業務の整合性を確保し、法的要件を遵守することが極めて重要です。

外国人派遣を成功させるためのポイントをまとめると以下になります。

  1. 在留資格の確認:適切な在留資格を持っているか、就労制限の範囲内か
  2. 業務内容の適合性:派遣先での業務が在留資格で認められた範囲内か
  3. 法的要件の遵守:外国人雇用状況の届出、労働法令の遵守
  4. サポート体制の整備:言語・生活面でのサポート、在留期間管理
  5. キャリア支援:スキルアップや長期的なキャリア形成の支援

これらのポイントを押さえることで、企業は外国人派遣を効果的に活用し、外国人労働者も適切な環境で能力を発揮することができます。少子高齢化が進む日本において、外国人派遣は今後ますます重要な雇用形態となっていくでしょう。

 

みなとまち行政書士事務所のビザ取得サポートサービス

みなとまち行政書士事務所は、コンサルティングから書類作成はもちろん、入国管理局への申請までサポートさせていただきます。

サービス内容
  1. ビザ(在留資格)取得に関するコンサルティング
  2. 入国管理局へ提出する書類の収集
  3. 入国管理局へ提出する書類の作成
  4. 入国管理局へ申請
  5. 結果受領に至るまでのサポート
費用

>>費用についてはこちらをご覧ください。

 

サポートの流れ

  • 1.お問い合わせ

    電話(06-4305-7395)や、お問合せフォーム(こちら)からお問い合わせください。
    些細なことでもお気軽にお尋ねください。
    ビザ取得の可能性が極端に低い場合などは理由をご説明します。

  • 2.面接 / 見積

    ご依頼を検討いただける場合、資料などを拝見し、更に細かくお話をお聞きさせていただくべく面談をさせていただきます。
    また、費用やサポート内容についてもご説明させていただきます。

  • 3.ご依頼の確定

    サポート内容や費用等の条件にご納得いただければ、ご依頼を確定することを申し付けください。
    着手金をお支払いいただきまして、正式なご依頼とさせていただきます。

  • 4.書類の収集・作成

    メール等でヒアリングをさせていただきながら、当事務所が作成または取得できる書類は代行して手配いたします。
    お客様で準備、作成していただく必要がある書類はご協力をしていただきます。

  • 5.申請

    入国管理局へ申請します。申請後は速やかに申請日と受理番号をお知らせします。
    後日、入国管理局から追加資料や事情説明などが求められる場合がありますが、その際はご連絡の上で速やかに対応します。
    審査の進捗状況なども適宜確認、ご報告いたします。

  • 6.残金のご入金

    申請のタイミングで残りの費用をお支払いいただきます。

  • 6.許可・不許可の連絡

    入国管理局から許可通知が届き次第、ご連絡いたします。
    同時にビザ受領に必要な証印手続きの準備を行い入国管理局に出頭します。
    ビザの受領が終わり次第お客様にお渡しします。

この記事を書いた人

大阪の行政書士 可児和武の画像

経歴紹介
理工系の学部卒業
機械製造メーカーに就職 金型の設計部門に配属
2年半後に、父親の経営する自動車部品メーカーに転職
製造設備のオペレーター、品質管理の責任者を経て代表取締役に就任(39歳のとき)
事業会社を売却、代表取締役退任
行政書士事務所開業、現在に至る

 

(〇〇についてはコチラをご覧ください。)