在留資格の取り消しとは?取消件数や事由を解説!
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外国人が日本で生活する上で、在留資格の取り消しは最も避けたい事態の一つです。
しかし、知識不足や軽微な違反が原因で、思わぬトラブルに巻き込まれるケースが年々増加しています。
本記事では、在留資格取り消しの全容を詳しく解説し、皆様が安心して日本で生活できるよう、専門家として最新情報をお届けします。
― 目次 ―
在留資格の取り消しとは?
在留資格取り消しとは、日本に在留する外国人が一定の事由に該当した場合に、法務大臣が現在有している在留資格を取り消す制度です。
この制度は出入国管理及び難民認定法(入管法)第22条の4に規定されており、適正な在留管理を目的として設けられています。
取り消しの対象となった外国人は、原則として30日以内に日本から出国しなければならず、一定期間の日本への再入国禁止措置も科されます。
在留資格取り消しに関する最新データ
出入国在留管理庁の発表によると、2024年の在留資格取り消し件数は1,184件でした。
前年の1,240件と比較すると4.5%の減少となっています。
在留資格別の内訳
- 技能実習:710件(60.0%)
- 留学:312件(26.4%)
- 技術・人文知識・国際業務:69件(5.8%)
国籍・地域別の内訳
- ベトナム:784件(66.2%)
- 中国:109件(9.2%)
- ネパール:60件(5.1%)
※中国には、台湾、中国(香港)及び中国(その他)は含まない
取消事由別の内訳
- 第6号(活動を3か月以上行っていない):761件(64.3%)
- 第5号(資格外活動):303件(25.6%)
- 第2号(虚偽申告):72件(6.1%)
参考:【出入国管理庁】令和6年の「在留資格取消件数」について
在留資格取り消しの10の事由
出入国在留管理庁によると、在留資格取り消しの事由は以下の10項目に分類されています。
1.不正な上陸許可(第1号)
偽りその他不正の手段により、上陸拒否事由該当性に関する入国審査官の判断を誤らせて上陸許可を受けた場合
2.虚偽の活動申告(第2号)
本邦で行おうとする活動を偽って上陸許可を受けた場合や、経歴を偽って申請した場合
3.虚偽書類の提出(第3号)
偽りその他不正の手段によらない場合でも、虚偽の書類を提出して上陸許可を受けた場合
4.不正な在留特別許可(第4号)
偽りその他不正の手段により在留特別許可を受けた場合
5.資格外活動(第5号)
在留資格に係る活動を行わず、他の活動を行い又は行おうとして在留している場合
6.活動の長期間停止(第6号)
在留資格に係る活動を継続して3か月以上行っていない場合
7.配偶者活動の長期間停止(第7号)
配偶者としての活動を継続して6か月以上行っていない場合
8.住居地届出義務違反(第8号)
上陸許可等により中長期在留者となった後、90日以内に住居地を届け出ない場合
9.住居地変更届出義務違反(第9号)
住居地から退去後90日以内に新しい住居地を届け出ない場合
10.虚偽の住居地届出(第10号)
虚偽の住居地を届け出た場合
2024年度入管法改正:永住資格取消事由の拡大
2024年6月に成立した入管法改正により、永住者の在留資格取り消し事由が大幅に拡大されました。
2027年の施行予定で、以下の事由が新たに追加されます。
新たな取消事由
- 故意の公租公課(税金・社会保険料)の不払い
- 特定の重大な刑罰法令違反による拘禁刑
- 入管法上の義務違反
この改正により、永住者であっても税金や社会保険料を故意に滞納した場合、永住資格を取り消される可能性があります。
在留資格取り消し手続きの流れ
1. 調査・事実確認
出入国在留管理庁が取り消し事由の疑いがある外国人を発見・通報により把握
2. 意見聴取の実施
入国審査官による意見聴取が行われ、対象者は意見を述べ、証拠を提出する機会が与えられる
3. 取り消し決定
法務大臣による取り消し決定
4. 通知書の送達
在留資格取消通知書が本人に送達される
5. 出国期間の設定
- 第1号・第2号該当:直ちに退去強制手続へ
- 第3号~第10号該当:30日を上限とする出国期間を設定
在留資格取り消しを回避する方法
1. 適切な在留管理
- 在留資格に応じた活動を継続する
- 活動内容に変更が生じた場合は速やかに変更許可を申請
- 住居地変更等の届出義務を確実に履行
2. 税金・社会保険料の適切な納付
- 所得税、住民税の確実な納付
- 社会保険料の滞納防止
- 納付が困難な場合は事前に相談
3. 定期的な在留期間更新
- 在留期間満了前の適切な時期に更新申請
- 必要書類の適切な準備と提出
4. 正確な情報提供
- 申請書類には正確な情報を記載
- 虚偽の申告は絶対に避ける
取り消し処分を受けた場合の対処法
1. 意見聴取での適切な対応
- 事実関係を正確に説明
- 正当な理由がある場合は証拠を提出
- 専門家のサポートを受ける
2. 出国期間内の対応
- 指定された期間内に出国準備を進める
- 必要に応じて出国期間延長を申請
- 再入国への準備を検討
3. 専門家への相談
在留資格取り消しの疑いがある場合や、実際に処分を受けた場合は、入管法に精通した行政書士や弁護士に早急に相談することが重要です。
再入国制限と解除
在留資格を取り消された外国人には、事由により以下の再入国制限が課されます。
- 第1号・第2号該当:5年間の上陸拒否
- 第3号~第10号該当:1年間の上陸拒否
ただし、正当な理由がある場合は制限期間の短縮や解除が認められる場合があります。
雇用者側の注意点
企業が外国人を雇用する際は、以下の点に注意が必要です。
1.適切な在留資格の確認
- 雇用前の在留カード確認
- 在留資格と業務内容の整合性確認
- 資格外活動許可の有無確認
2.継続的な管理
- 在留期間更新の支援
- 活動内容変更時の適切な手続き
- 離職時の適切な対応
3.法的義務の履行
- 届出義務の履行支援
- 税金・社会保険手続きの適切な処理
専門家に相談すべきケース
在留資格取り消しは、外国人の日本での生活に重大な影響を与える問題です。
予防から対処まで、専門的な知識と経験が不可欠です。
特に以下のケースでは専門家に相談するようにしましょう。
- 在留資格取り消しの疑いがある場合
- 意見聴取の通知を受けた場合
- 活動内容に変更が生じた場合
- 税金・社会保険料の滞納がある場合
まとめ
在留資格取り消しは、適切な知識と対応により予防できる問題です。
2024年の法改正により永住者の取り消し事由が拡大されるなど、制度は常に変化しています。
外国人の皆様が安心して日本で生活を継続できるよう、最新の法令動向を把握し、適切な在留管理を行うことが重要です。
不安な点がございましたら、専門家にお気軽にご相談ください。
みなとまち行政書士事務所では、在留資格に関する各種手続きのサポートを行っております。
初回相談は無料ですので、お困りの際はお気軽にお問い合わせください。
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後日、入国管理局から追加資料や事情説明などが求められる場合がありますが、その際はご連絡の上で速やかに対応します。
審査の進捗状況なども適宜確認、ご報告いたします。 -
6.残金のご入金
申請のタイミングで残りの費用をお支払いいただきます。
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6.許可・不許可の連絡
入国管理局から許可通知が届き次第、ご連絡いたします。
同時にビザ受領に必要な証印手続きの準備を行い入国管理局に出頭します。
ビザの受領が終わり次第お客様にお渡しします。
この記事を書いた人
みなとまち行政書士事務所の可児(かに)と申します。
定型的な業務以外にもできる限り対応させていただいております。
お困り事がありましたらお気軽にお問い合わせ下さい。
経歴紹介
理工系の学部卒業
機械製造メーカーに就職 金型の設計部門に配属
2年半後に、父親の経営する自動車部品メーカーに転職
製造設備のオペレーター、品質管理の責任者を経て代表取締役に就任(39歳のとき)
事業会社を売却、代表取締役退任
行政書士事務所開業、現在に至る