宿泊業で外国人を雇用するための在留資格ガイド
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宿泊業で外国人を雇用するための在留資格ガイド
訪日外国人の急増により、ホテル、旅館、ゲストハウス、民泊など、宿泊業界では多言語対応が可能な外国人スタッフのニーズがますます高まっています。フロントでのチェックイン業務や、外国人観光客向けの案内、海外向けのプロモーション活動など、外国人ならではのスキルが求められる場面は少なくありません。一方で、外国人を雇用するには、適切な在留資格を取得してもらう必要があり、その手続きには注意点や法的な要件があります。
こちらの記事では、宿泊業で外国人を雇用するために必要な在留資格について詳しく見ていきたいと思います。
技術・人文知識・国際業務
この在留資格は、外国人が日本国内の企業等と契約して、主に知識や専門性を活かした業務に従事することを目的としたものです。宿泊業においては、単なる接客にとどまらず、インバウンドマーケティング、外国人向けの広報活動、人事や経理などのバックオフィス業務、また通訳・翻訳業務などが該当することが多くあります。
取得条件
- 大学または専門学校を卒業し、宿泊業と関連する学科を専攻していたこと
- または、宿泊業に関連する業務に10年以上従事していた職歴があること
- 就労する企業からの報酬が、日本人従業員と同等以上であること
許可される業務
- 外国人宿泊客へのフロント対応(多言語での接客)
- 海外市場をターゲットにしたWebマーケティング、SNS運用
- 外国語を活かした企画、顧客対応マニュアルの翻訳
- 外国人スタッフの採用、人事、教育担当などの管理業務
注意点と不許可例
- 荷物運び、清掃、配膳といった単純労働はこの在留資格では不可
- 業務内容の記述が曖昧だと不許可になるケースが多く、契約書や業務計画書などの裏付け資料が重要
- 報酬額が不適切(同種の日本人より低いなど)であると、それだけで不許可になることもあります
特定技能
「特定技能」は2019年4月に創設された新しい在留資格制度で、人手不足が深刻な14業種で外国人材の受入れを認める仕組みです。宿泊業はその対象業種の一つであり、他の在留資格に比べて比較的広範囲な業務への従事が許可されます。特に、清掃、レストラン配膳、ベッドメイキングなど、従来の就労ビザでは認められなかった業務も可能になるのが大きな特徴です。
主な対象業務
- フロント業務、接客・案内業務
- レストランでの配膳、館内清掃、ベッドメイキング
- 外国人観光客へのサービス提供、販促活動、関連業務
取得要件
- 「宿泊業技能測定試験」に合格すること
- 日本語能力試験(JLPT)N4以上に合格していること
メリットと注意点
- 現場の幅広い業務に対応できるため、雇用の柔軟性が高い
- 在留期間は最長5年で、家族帯同はできない
- 企業は受入れ体制の整備(支援計画の策定等)が義務づけられている
身分系の在留資格
身分系の在留資格とは、「永住者」「定住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」など、本人の身分や地位に基づいて付与される在留資格を指します。これらの資格は、業種・職種・労働時間の制限がなく、あらゆる業務に従事できるという大きなメリットがあります。
対象となる主な資格
- 永住者:法務大臣から永住許可を受けた外国人
- 日本人の配偶者等:日本人の配偶者・子・特別養子
- 永住者の配偶者等:永住者等の配偶者・日本出生の実子
- 定住者:日系人、難民認定者、中国残留邦人など
就労可能な業務
- フロント、ベッドメイキング、配膳、清掃、厨房補助など、制限なし
- アルバイト・正社員いずれも可
- 業務内容が単純労働であっても就労に問題なし
資格外活動許可
「資格外活動許可」とは、本来の在留資格の範囲外の活動を、一定の条件下で認める制度です。主に留学生や家族滞在の在留資格を持つ方が対象で、ホテルでのアルバイトなどが可能となります。
許可を得られる在留資格例
- 留学:大学・専門学校等に在籍する外国人
- 家族滞在:就労ビザを持つ配偶者の帯同家族
制限内容
- 週28時間以内(長期休暇中は週40時間まで)
- 在留資格の活動を妨げない範囲内であること
- 配膳、清掃、調理補助などの業務も可能
注意点
- 資格外活動許可を得ずに働くと不法就労となり、在留資格取消の対象になります
- 許可申請は入国管理局で行う必要があります
まとめ
宿泊業で外国人を雇用するには、業務内容と在留資格の適合性を十分に理解し、正確な手続きを行うことが不可欠です。適切な在留資格を取得していなければ、本人だけでなく、雇用主側にも重い罰則が科される可能性があります。そのため、雇用前には必ず「どの在留資格に該当するか」を確認するようにしましょう。
- 専門職的な業務には「技術・人文知識・国際業務」
- 現場作業を含む業務には「特定技能」
- 身分に基づき制限のない労働を可能にする「身分系の在留資格」
- 学生アルバイトには「資格外活動許可」
これらを正しく理解し、適法な形で外国人を雇用することは、労使双方にとって健全な労働環境を築く第一歩です。
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後日、入国管理局から追加資料や事情説明などが求められる場合がありますが、その際はご連絡の上で速やかに対応します。
審査の進捗状況なども適宜確認、ご報告いたします。 -
6.残金のご入金
申請のタイミングで残りの費用をお支払いいただきます。
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6.許可・不許可の連絡
入国管理局から許可通知が届き次第、ご連絡いたします。
同時にビザ受領に必要な証印手続きの準備を行い入国管理局に出頭します。
ビザの受領が終わり次第お客様にお渡しします。
この記事を書いた人
みなとまち行政書士事務所の可児(かに)と申します。
定型的な業務以外にもできる限り対応させていただいております。
お困り事がありましたらお気軽にお問い合わせ下さい。
経歴紹介
理工系の学部卒業
機械製造メーカーに就職 金型の設計部門に配属
2年半後に、父親の経営する自動車部品メーカーに転職
製造設備のオペレーター、品質管理の責任者を経て代表取締役に就任(39歳のとき)
事業会社を売却、代表取締役退任
行政書士事務所開業、現在に至る