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重国籍者の国籍の選択について

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日本では、国籍法により重国籍者(日本国籍と外国籍の両方を有する人)は、一定の期限までにどちらかの国籍を選択することと定められています。

そして、外国籍を選択した場合は、日本の国籍を失うことになります。

こちらのページでは、どのような人が国籍の選択をすべきか、国籍選択の方法などについてみていきたいと思います。
 

血統主義と出生地主義について

どのような人が国籍の選択をすべきかについてみる前に、まず国ごとに異なる国籍の付与の方式について説明していきたいと思います。

国籍を付与する方式は、「血統主義」と「出生地主義」の2つに大別されます。

血統主義とは

血統主義とは、出生した国に関係なく、父母から受け継いだ血縁関係により国籍を取得するという方式です。

日本はこの血統主義を採用しており、父母のどちらかが日本国籍であれば、生まれてきた子どもは日本国籍を取得します。

血統主義は大きく「父系優先血統主義」と「父母両系血統主義」の2つに分類されます。
 

【父系優先血統主義】

父親の血統を優先するもので、父親の国籍のみをその子どもが受け継ぎます。

以前は日本や韓国も父系優先血統主義でしたが、現在は両国とも父母両系血統主義を採用しています。

父系優先血統主義の採用している国は、インドネシア、スリランカ、イラク、イランなどです。

 
【父母両系血統主義】

父または母のいずれかがその国の国籍であれば、子どももその国籍を取得するという考えです。

日本はこの父母両性血統主義を採用しています。

父母優先血統主義を採用している国は、日本、韓国、中国、タイ、フィリピン、インド、ドイツ、フランスなどです。

 

出生地主義とは

一方、出生地主義とは、両親の国籍には関係なく出生した国の国籍を取得できるとする方式です。

生まれてくる子どもにアメリカ国籍を取得させるために渡米して出産する人がいますが、これはアメリカが出生主義を採用しているためであり、両親の国籍に関係なくアメリカで生まれた子どもはアメリカ国籍を取得することになります。

生地主義の採用している国は、アメリカ、カナダ、ブラジルなどです。
 

重国籍となる場合

血統主義を採用する国の国民が、出生地主義を採用する国で子どもを出産した場合、生まれてきた子どもは、両方の国籍を取得し重国籍となります。

これ以外にも重国籍になるケースがあり一般的に次のようなケースが考えられます。

  1. 日本国民である母と父系血統主義を採る国の国籍を有する父との間に生まれた子
    (例:日本人の母×[インドネシア、スリランカ、イラク、イラン]人の父)
  2.  

  3. 日本国民である父または母と父母両系血統主義を採る国の国籍を有する母または父との間に生まれた子
    (例:日本人の父もしくは母×[韓国、中国、タイ、フィリピン、インド、ドイツ、フランス]の母もしくは父)
  4.  

  5. 日本国民である父または母(あるいは父母)の子として生地主義を採る国で生まれた子
    (例:父もしくは母が日本人で[アメリカ、カナダ、ブラジル]で生まれた子)
  6.  

  7. 外国人父からの認知,外国人との養子縁組、外国人との婚姻などによって外国の国籍を取得した日本国民
  8.  

  9. 国籍取得の届出によって日本の国籍を取得した後も引き続き従前の外国の国籍を保有している人

 

国籍の選択をすべき期限

国籍の選択をすべき期限は,次のとおりです。

  1. 20歳に達する以前に重国籍となった場合は、22歳に達するまで
  2. 20歳に達した後に重国籍となった場合は、重国籍となった時から2年以内

※以上の期限を過ぎてしまった場合であっても,いずれかの国籍を選択する必要があります。

 

期限内に国籍の選択をしなかった場合

国籍法上、期限内に日本の国籍を選択しなかったときには、法務大臣は国籍の選択をすべきことを催告することができるとされております。

この催告を受けた日から1か月以内に日本の国籍の選択をしなければ、原則としてその期間が経過した時に日本の国籍を失うこととされています。

法律の条文上(国籍法15条)、「法務大臣は催告することができる」となっておりますので、国籍の選択をしない場合に必ず催告されるものではなく、また自動的に日本の国籍を失うわけでもないということになります。

なお、昭和60年1月1日より前から重国籍となっている日本国民については、既に選択の期限が到来していますが、期限内に国籍の選択をしなかったときでも、その期限が到来した時に日本の国籍の選択の宣言をしたものとみなされています。
 

期限時期の変更

成年年齢の引き下げ等を内容とする「民法の一部を改正する法律」の成立にともない国籍法についても改正されました。

令和4年(2022年)4月1日以降は、以下のように期限時期が変更されます。

  1. 18歳に達する以前に重国籍となった場合は、20歳に達するまで
  2. 18歳に達した後に重国籍となった場合は、重国籍となった時から2年以内

※ただし、令和4(2022)年4月1日時点で20歳以上の重国籍者については、22歳に達するまでに(20歳に達した後に重国籍になった場合は、重国籍になった時から2年以内に)どちらかの国籍を選択すれば足りるとされています。

また、令和4(2022)年4月1日時点で18歳以上20歳未満の重国籍者については、同日から2年以内にどちらかの国籍を選択すれば足りるとされています。

※以上の期限を過ぎてしまった場合であっても,いずれかの国籍を選択する必要があります。

 

国籍の選択方法

国籍の選択をする場合は、以下のいずれかの方法により選択することになります。

なお、15歳未満の人が国籍の選択をする場合には法定代理人が代わって行う必要があります。

日本の国籍を選択する場合

1.外国の国籍を離脱する

当該外国の法令に従い、その国の国籍を離脱します。

次にその離脱を証明する書面を添付して市区町村役場または外国にある日本の大使館・領事館に「外国国籍喪失届」を提出いたします。

離脱の手続については、当該外国の政府または日本に駐在する外国の公館に相談してください。

(リンク:法務省 国籍離脱の届出

2.日本の国籍の選択を宣言する

市区町村役場または外国にある日本の大使館・領事館に日本の国籍を選択し、外国の国籍を放棄する旨の「国籍選択届」を提出してください。

この日本国籍の選択宣言をすることにより、国籍法に定められている国籍選択義務は履行したことになりますが、この選択宣言により外国の国籍を当然に喪失するかについては、当該外国の制度により異なります。

この選択宣言で国籍を喪失する法制ではない外国の国籍を有する方については、この選択宣言後、当該外国国籍の離脱に努めなければなりません(国籍法16条第1項)。離脱の手続については、当該外国の政府または日本に駐在する外国の公館に相談してください。

(リンク:法務省 国籍選択の届出

 

外国の国籍を選択する場合

1.日本の国籍を離脱する

住所地を管轄する法務局・地方法務局または外国にある日本の大使館・領事館に戸籍謄本、住所を証明する書面、外国国籍を有することを証明する書面を添付して,「国籍離脱届」を提出してください。

2.外国の国籍を選択する

当該外国の法令に定める方法により、その国の国籍を選択します。

そして、外国国籍を選択したことを証する書面を添付の上,市区町村役場または外国にある日本の大使館・領事館に「国籍喪失届」を提出してください。

 

 


(出典:法務省 国籍の選択について)
 

この記事を書いた人

大阪の行政書士 可児和武の画像
可児行政書士事務所の可児(かに)と申します。

旅行が好きで、ふらっと出かけることもあります。昔は家族でよく出かけていましたが、最近は妻も娘も相手にしてくれなくなったので、一人旅を楽しんでおります。サービスエリアで1人ソフトクリームを食べているおじさんを見たら、たぶんそれはワタシです。